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TSUTAYA BOOKSTORE 西五反田店、閉店

あゆみブックス五反田店から続いていた、TSUTAYA BOOKSTORE 西五反田店が本日で閉店となる。

最終日に来店し、2冊の雑誌を購入した。最後に店員さんに「お疲れ様でした」と言えて良かった。

10年前に横浜から、品川区の不動前に引っ越してきた。

当時は品川のオフィスに通っていたため、五反田は通勤路にある街だった。不動前には大きな本屋がなかったので、本を求めるときは五反田に足を運ぶ必要があった。

いくつかある本屋の中で、あゆみブックス五反田店の品揃えは出色だった。「こんな本があるのか……」と当時20代だった僕は驚いた。

あゆみブックス五反田店は、店内を歩いているだけで「この本、気になる!」と、本棚に手が伸びるような本屋だった。想定していたよりもお会計の金額が2倍、3倍になることもあるほど。それでも本屋を出るとき、僕は「何者」になれたかのようなホクホクとした感覚を得ることができた。

たいていの本屋では、何かほしい本を探そうとした場合、能動的な姿勢が求められる。「このコーナーはビジネス書で、あっちは文芸、そっちはデザインや編集か」のような感じ。

だが僕の好きな本屋は、ずっと受動でいられる。歩いているだけで「この本、聞いたことないな」なんてことが多々あるのだ。「なぜこのコーナーにこの本が?」という不思議な陳列もある。偶発性の高い出会いを演出する本屋は、すべからく本屋スタッフの熱意が込められている。

あゆみブックス五反田店が閉店して、とても悲しい気持ちになった。しかしその後、同じ場所にTSUTAYA BOOKSTORE 西五反田店が開店する。店のレイアウトもほとんど変わらなかった。TSUTAYAが、あゆみブックスの想いを継承しようとしているような気がして嬉しかった。

だが、さすがに6年も経つと、もとの方針のままではいられない。

五反田はビジネス街ということもあり、徐々に「ビジネス」の割合が大きくなっていった。デザインのコーナーも隅に追いやられ(もともと入口の一番近くに陳列されていた)、バンクシーなどの書籍と並列されることもあった。

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品川にオフィスがあった会社を退職したこともあり(結婚し、不動前から引っ越しもした)、TSUTAYA BOOKSTORE 西五反田店に足を運ぶ機会も減ってしまった。

2月終わりに立ち寄り、閉店の張り紙を見たとき、ひとつの青春が終わってしまったことを知った。大袈裟でなく、20代で心沸き立つような想いをした本屋が、なくなってしまうのだ。

Amazon、コロナ、読書離れ……

閉店には、様々な要因があると思う。それでも、本を愛するひとりの人間として、本屋がなくなってしまうのは悲しい。五反田で本を求めるには、東急スクエアのブックファーストに行くしかなくなる。(ブックオフもあるけれど)

引き続き、なるべく、本屋で本を買うようにしたい。

スタッフや関係者の皆さまに、敬意を表しつつ。

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ほりそう / 堀 聡太
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