もやもやしていると心は動きやすい。‐認知的不協和の解消と表現への活用
こんにちは、
このnoteでは”分かりやすい表現”にまつわるテーマを取り上げて情報発信しています。
今回は認知的不協和についてです。
情報表現とは少し異なりますが、人の心理メカニズムを知ることはときに情報表現にも応用できるので紹介です。
認知的不協和って?
社会心理学の用語で、自分のいだく認知や知識が矛盾した状態にあるときに、それを解消しようと行動、態度変容しようとすることです。アメリカの心理学者フェスティンガーによって提唱されました。
良いことだと思わないけどついやってしまうこととか、ありますよね?
そんなときに自分の行動を正当化させるか、あるいは行動を改めることで思っていることと行動の矛盾を解消しようするというものです。
認知的不協和が実際に生じる例
実際に身の回りでもいろんな場面でこの認知的不協和は生じています。
例えばダイエットの場面。
今日からダイエットやるぞーとなったけど、その日の内にどうしても肉が食べたくなってしまった。そんなときに豚肉の良い面を調べて食べても大丈夫と自分を納得させる行動はまさに認知的不協和を解消させる行動です。
ビジネスの場面で生じる認知的不協和
仕事の場面でも度々発生するのがこの認知的不協和。
頑張っているのに営業成績が振るわない。。そんなとき、努力しているのに結果が出ない自分ではなく、景気や商材に原因があると考えることで認知的不協和を解消します。
また、もやもやしながら仕事を続けている人に新しい職場を紹介すると、転職する可能性が高まるのも認知的不協和を解消させようとしていることが作用します。
表現における認知的不協和
認知的不協和に着目した表現も多く存在します。
よくあるものだとただ主張をするのではなく、最初に認知的不協和を提示した上で自分の主張をするというものがあります。
例えば保険の営業では、将来のリスクを最初に洗い出す→現状対策していないことを認知してもらい認知的不協和を喚起してもらったうえでリスクヘッジするための保険の提案を行うという流れがよくありますがまさに認知的不協和を利用しています。
特に1対1の場面での説得で効果を発揮します。
最近はこのようなプル型の提案はめちゃくちゃあるので、幅広い相手に伝えるときは相手の矛盾を言語化することにとどめる、という方法もあります。
例えば人材企業が”今までと同じ働き方で良いのだろうか”というメッセージを発信するにとどまること。駅の看板広告などでたまに見かけますね。
多くの社会人が今の働き方にもやもやを抱えているので、このような不協和の提示はそのまま行動を促すことにつながります。
表現といっても受け手によってどんな伝え方が効果的かは異なってくるので、今回は認知的不協和について書いてみました。
ご覧いただきありがとうございました。
また定期的に”分かりやすい表現”にまつわるテーマ(グラフ、情報表現、心理学など)の記事を上げていきます。
それではまた!