自由律俳句 『言葉は夕焼けの匂を包む』

・「うしろの正面だ~れ」という夕暮れにニュースを見ている

・言葉は夕焼けの匂を包む

・テーブルに置かれた化石になった時計

・白樺林からの手紙は森林保護のハガキで「ふーん」と眺めている

・溶かされた「時間」は二度と同じ形に戻らないことを僕は知っている

・僕はレンタルした「時間」の返却日を考え始めた

・上高地の河童橋を歩いた日が溶けている

・蜂が歩く花弁の花粉

・春分の大安はいかに

・夜と昼を合わせて桜貝

・エビの触覚の長く流れる春の小川

・タンポポの綿毛吹かれて戻る西公園

・春の波くりかえす長調

・春の園ベンチ巻かれる香あり

・オレンジにかかるナイフの重さで切る

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