コーヒー何それ記 コーヒーの甘さの話
ご覧いただきありがとうございます!
しじみとれと申します
今回はコーヒーの甘さについて紹介します!
前回同様、旦部幸博氏の「コーヒーの科学」をメインに紹介していきます
前回、コーヒーの苦味の話をしましたが、今度は反対に「甘味」の話です!
みなさん、コーヒーを飲んだ時に「甘味」を感じたことはありませんか?
私はスペシャリティコーヒーでかつ、中煎り程度のものでは感じたことがあります
実はこの甘味、日本のコーヒー界では昔から「良いコーヒー」の指標でもあったのです
では、コーヒーの甘味の正体とはなんなのか?今回迫っていきます!
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(前回、苦味についてもまとめましたのでよろしければこちらもご覧いただけると嬉しいです!)
コーヒーの甘味成分
コーヒーの成分の中には「ショ糖」が含まれていますが、量としてはとても少ないとされています(それ以外の成分については「コーヒの苦味の話」を参照してください)
また、精製法によってこの「糖」の量も変化があるという研究結果があります
詳しくはナカジマ様のnoteを参照してください
ですが、このショ糖は焙煎時の加熱時に熱分解されて「味覚としての甘さ」を感じれるほどには残らない、という結論になっています
では、あの「甘さ」は何なのか?
「風味としての甘さ」 ーフラノン類ー
ショ糖がないのでは、ほかの成分とは?
答えはフラノン類という物質にあります
フラノン類とは糖類が加熱されて生じる物質です。食品に甘い風味をつける着香料にも使用されるものです
これは「風味」とも表現される中にあるもので、口中香(口の中に入れた後、鼻に抜ける香りのこと)に作用します
この香りが鼻に抜ける甘い香りになることで総合的な風味として「甘味」を感じさせているのです
そしてコーヒのフラノン類は2種あります
フラネオール(フィルメニッヒ社の商標名)
→イチゴやパイナップル、加熱した砂糖が溶けた香りソトロン
→キャラメルやメープルシロップ、焦がした砂糖を思わせるスパイシーな香り。濃くなるとカレー粉のようにも感じる
となっています
フラノン類の限界
甘味の正体はフラノン類か!?と思わせるように書いていますが、限界もあるのです
まず、風味であるため鼻に抜けない、つまり鼻がふさがっているとこの作用は働かない、つまり「甘味」を感じないのです
そして、先ほどの2種のフラノン類は中煎りをピークに深煎りになると減っていきます
ですが深煎りでも甘味を感じた経験のある方はある程度いらっしゃると思います
少なくとも、この深煎りのコーヒーの甘さはフラノン類であるのは考えにくいというのが今の結論です
バニエンという物質が関係あるのかという説もありますがよくわかっていません
では、この「甘味」はなんなのか?
甘味の限界
最初に述べた通り、昔の日本のコーヒー界では「良いコーヒー」とは甘く感じるものだと書きました
昔というのは大体スペシャリティコーヒー文化が入る前から、戦後から80年代あたりまでの品質の悪いアラビカ種やロブスタ種を使っていた時代からなのです
当時は深煎りで悪い豆の印象をなくす、苦味がコーヒーのおいしさのステータスであったのです
いわば現在と比べほどにならないぐらい品質の悪かった時代です
その時から「良いコーヒー」の基準に甘さがあったのです
このことから推察するとコーヒーの甘さは「コーヒーノキ」という種の特徴であること、また精製法や焙煎に左右されない要素はあることがうかがえます
ですが、今現在甘味の正体はフラノン類しかわかっていません。今後の研究で何か新しいことがわかるかもしれませんね
まとめ
というわけでコーヒーの甘さについてみてきました
今現在は「風味の甘味」が原因だとされています
私自身がロースタリーさんやカフェに行った際に店員さんに甘味の話を聞くことがあるのですが、面白かったのは
今の豆の品質は過去と比べ物にならないほど高品質。その要素があるから甘味も強く感じられるのでは?
という意見もありました
確かに、今は差別化のために各農園も様々な製法や品種、販路があると聞くのでその要素もあると思います
甘さ1つとってもこんなに奥深いとますますコーヒーの沼にはまっていってしまいます!
参考文献
旦部幸博「コーヒーの科学」2016 講談社
ナカジマ_web版コーヒーノート運営 「コーヒー豆は、ナチュラルプロセスの方が甘くなるらしい①」及び②
あとがき
前回と同様、物質からコーヒーのおいしさの部分に迫ってきました
調べれば調べるほど奥が深くそこが見えません!
まさに深淵といった感じでしょうか(?)
カフェ訪問記の更新が止まっていますが、2件ほど記事にできる場所へは行っていますのでそのうち記事を書こうと思いますが、
今週!ついに待ち望んだSCAJ2023が水曜日から始まります!
私は可能であれば27日から29日参加する予定です!皆さんもお日にち都合よければ行ってみてください!
今回の記事いかがでしたでしょうか?
よろしければスキ、コメント、フォローお待ちしております!!
しじみとれでした