見出し画像

全47都道府県の図書館訪問、達成できました!

青森県の津軽地方で発行されている地方紙「陸奥新報」で、各週連載の旅エッセイ「図書館ウォーカー」を執筆しています。

北杜市ながさか図書館(山梨県)
桜の向こうに見える南アルプス

連載開始は一昨年2019年の11月だったのですが、その3ヵ月後に「コロナの時代」がやってきてしまいました。その時点で150館くらい訪問済みの図書館があったので、ネタには困らない予想はしていました。一方で気にかかっていたのが「図書館未踏県」の存在。

岐阜市立中央図書館(みんなの森メディアコスモス、岐阜県)の一画
巨大なデッキが行き渡る岐阜駅

図書館未踏県は、そもそも行ったことがない、実質的に未踏の都道府県に加え、旅や仕事で訪ねたことがあるのにその時の都合で図書館には行かなかった都道府県という意味です。

白馬村図書館(長野県)
大糸線列車の車内から望む白馬連峰

僕は東日本の青森市に住んでいるので、連載開始時点では必然的に西日本に図書館未踏県が多くありました。また、大阪府の堺市が実家だからでしょうか、「いつでも帰省してから行ける」という意識があって近畿地方に未踏県の多くが集まっていました。連載開始時には、実家を拠点にして近畿各県の図書館を訪ねればいいと考えていたんですよね。

いの町立図書館(高知県)
仁淀ブルー!

「図書館ウォーカー」ではいくつかやってみたいことがあって、そのうちの1つが「全都道府県の図書館を最低でも1館は連載で紹介する」ということでした。

はこらいふ図書館(徳島市立図書館、徳島県)のブックポスト
徳島市は「水の街」でした。なんと川にエイが!

しかし、コロナでなかなか取材に行けない。また仮に収まりつつある場合でも、大阪の感染者数が多かったために肝腎の近畿とその周辺に行くことが難しい時期が長く続きました。

海越しに望む志摩市立図書館浜島図書室(浜島公民館、三重県)
志摩の海のさわやかな青も美しかった!

今年の4月時点で、近畿では京都、和歌山、奈良。その他の地方では、山梨、長野、岐阜、三重、岡山、山口、徳島、高知、沖縄の各都道府県が図書館未踏県でした。けっこう多いですよね。連載をいつまで続けられるかは未定なものの、このままでは各都道府県につき最低でも1館紹介という目標の達成は難しくなってしまいます。

笠置町図書室のある笠置産業振興会館(京都府)
夕暮れ時の笠置川。キャンプの人もたくさんいました。

そんな中、今年の11月、ようやくコロナが収束の兆しを見せはじめました。この機会に一気に未踏県をクリアしておかないと、今度いつ取材に行けるかわからない。ということで、11月から12月半ばにかけて長期の取材旅行を2つ入れ、主に近畿、四国、九州、沖縄の図書館訪問にあてました。この2つの取材で、すべての都道府県の図書館に最低1館は訪問するという目標を達成することができました。これで連載でも紹介できます。

川上村立図書館のあるやまぶきホール(奈良県)
吉野川を遡り山奥に分け入っていくバス。なんと運賃200円均一。

また、4月と10月にも1回ずつ、長期の取材旅行に出かけました。4月のほうは山梨、長野、岐阜プラス富山や新潟の「海が見える図書館」(↓参考記事1つ目)を。10月は未踏県ではありませんが北海道後志地方日本海沿岸エリアの「海が見える図書館」(↓参考記事2つ目)を取材しました。

海南nobinos(和歌山県)
夕暮れに包まれゆく海南市街地。意外と下町っぽかった。

首都圏を含む関東地方は1館紹介するとあとはもうネタがないという「準・未踏県」もいくつかあるのですが、こちらはコロナがなかなか収束しなかったためと未踏県訪問を優先したため取材に行けていません。とか言ってる間に今度はオミクロン株が猛威を振るいはじめましたね。ぎりぎり感染爆発前に取材に行っておいて良かったです。

美作市立大原図書館(岡山県)
里山的風景が楽しい大原の街。「古い街並み」もあります。

今年は全部で50館以上の図書館を訪ねました。そもそもの「図書館ウォーカー」のコンセプトである「旅のついでに図書館へ」が逆転して「図書館のついでに旅を」になってしまっていますが、これも連載のためなので仕方ありません。

下関市立図書館のある生涯学習プラザDREAM SHIP(山口県)
関門海峡をはさんで、門司港の街の向こうから顔を出した朝日。

でも最後にひとつだけ言っておきたいのは、図書館訪問をプランに組み込んで旅をするのはやっぱりすごく楽しいし、充実した街歩きができる、ということです。ほんらいならば寄るはずのない場所に立ち寄るわけですから。また図書館自体が街の空気を反映していたり、地元ネタを発信していたり、面白い建物だったりするのです。道すがら出会う(出合う)人やあれこれとの時間も良い思い出になります。

沖縄県立図書館のあるカフーナ旭橋A街区(沖縄県)
沖縄県は名建築が多いです。こちらは那覇市役所庁舎。

オミクロン株の勢いが少しずつ増す中、いつまた「気兼ねなく旅ができる」状況が来るのはわかりません。でもその時は、ぜひみなさんも図書館ウォーカーしてください。旅先での図書館、けっこう面白いですよ!

雨の中でも美しかったオキナワン・ブルー

*見出し写真は南城市立図書館佐敷分館(沖縄県)のある名建築「シュガーホール」です。その名の通り、周りはサトウキビ畑に囲まれ、建物の裏はすぐ海なんですよ。

いいなと思ったら応援しよう!

オラシオ
ありがとうございます!サポートいただいたお金は全国の図書館をめぐる取材旅の経費として使わせていただきます。

この記事が参加している募集