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何気ない日常が豊かに見えてくる。『よりぬきただいま食事中』クウネルまんぷく隊

料理が好きだ。レシピを見ながら、完璧に再現を目指すのも良い。だけど、もっと楽しいのは、冷蔵庫のありもので何が出来るか考えを凝らすことだったり、昔どこかのお店で食べたものを記憶と味覚を頼りに再現していくことだったりする。

レシピ便りではない料理は、訓練が必要だ。楽譜なしで音感を頼りにピアノを弾くことに近いかもしれない。この場でこれを入れたら美味しいかも、そんなひらめきは日頃からどれだけ料理に触れているか、日常感覚に左右されるものだ。

思い返せば、我が家には料理本や、料理雑誌が置かれていた。その環境もあってか、読み物として料理マンガや料理雑誌を読むことは自ずと好きになっていった。そのなかの1つ、ライフスタイル提案誌「クウネル」の「ただいま食事中」という特集を読むのが楽しみだったのである。

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エッセイストやアーティスト、料理家など日常を素敵にクリエイトする人たちの「食」の記録が綴られている。今作はその特集だけを集めた至極の1冊なのである。日常に根付いた1つ1つのご飯。人それぞれの生活に根付いた料理はとても魅力的。

食べることは生きること。食卓の風景は、心や身体を映し出す鏡。あとがきに綴られたことばはとても共感するもの。

「今日何作ろう?」

その言葉に、相手や食材、なにより自分という付加価値がつくことで、料理はとてもわくわくする日常を彩るイベントになります。帰り道やリビングで読むと、とっても想像力を刺激してくれるこの1冊。毎日を豊かにしてくれるきっかけとして是非読んでみてくださいね。

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