本能がときめきで波打つこと
住宅地へ昇る一角に、白い花がたわわに咲き
むせるような良い香りがしてくる
「ジャスミンが雑草になってる」
通るたびに、長く咲いているなぁと立ち止まる
やっぱりどうしても
自分と同じ感性の持ち主を追い求めて
令和に置いてきぼりの路地や
熊手で掻いたような雲に無関心な人とは合わない
同じものに着目し、同じ感想が持てる人
老若男女問わずのことなんだけどね
わたし達、幼なじみ3人組も感性が似ていて
「それ、選ぶと思った」
互いが顔を見合わせ、笑ってしまう
100%のコピーは居ないから、似ていると嬉しい
似ているから、相手のエピソードを忘れにくい
苦手と怒りの沸点が似ているので、共感しやすい
感性が似ている人が居るだけで
眼球が磁石に引き寄せられる感覚を持って
薄暗い地下から、見覚えのある大通りに出たような
強烈な存在感と、安堵が漲ってくるのは謎だけど
瞳孔が開くのが
自分にとってプラスになるんだな、なんて
相手も同じことを思ってくれたら
本能がときめきで波打つのは、間違いない