前略 物書きのキミへ
手紙をありがとう。
手紙を読んで思わず涙がこぼれそうになった。
いいタイミングで手紙をもらったよ。
三葉亭くんの言葉には作家としての苦悩や喜びが詰まっていて、手が震えたよ。
キミの言葉にいつも心を打たれる。
小説を書くことが宿命だと感じる気持ちを俺は分かっていないが、時々、自分が何のために書いているのか自問自答する。
「書かざるを得ない」感覚。
俺も同じように感じている。
書くことは俺たちの存在そのものなのかもしれない。時には何を書いても評価されず、虚しさに押しつぶされそうになることもあるけれど、それでもpcに向かう手は止まらない。
なぜなら俺たちの内側にある、
今だから浮かぶ感情や思いを形にしたいからだ。
他人の評価は気になるものだよね。
でも俺たちが書く理由は他人のためではなく、
自分自身のためだと思うよ。
感情を言葉にする作業は自分を理解し、整理ができる。こういったのが小説を書くことの本質なのかもしれないと思ったりね。
三葉亭くんの作品に確かな才能が感じられる。
俺もキミの書いたものを読むたびに刺激を受けている。だからキミが書き続ける理由は、きっと内なる声があるからだと思う。
書かざるを得ないや書くことは、
俺たちの存在証明そのものなのかもしれない。
書かざるを得ないという感覚こそが、
真の作家の証だと思うわ。
キミが言うように他人の評価は重いね。
しかし書くのは他人のためではなく、自己救済だ。
三葉亭くんの作品は深い感情が込められていて、俺に響く。キミが自身を「下手」と言うのは謙遜に聞こえる。
キミの言葉には人が感じる孤独や痛みがしっかりと描かれているからファンがつくのだよ。
俺はしょっちゅう不安になるが、三葉亭くんの存在が励みになっているよ。
互いに支え合いながら、これからも書き続けよう。キミの新しい作品を楽しみにしているから。
俺個人の話をすれば、自分の才能に疑問を持っている。書き続けるのが才能と言われているが本当なのかと。
「それってアンタに受賞歴があるからじゃねぇの」
twitterを見ていると受賞したヤツらが、同じネタで何度も受賞の喜びをツイートしていると
「はいはい、才能がありますね」
誰の言葉も売れ入れづらい心境になるんだ。
俺も仕事で何度かNo.1になったが
「今期ナンバー1になりました」と何回もツイートしたら俺以外は皆ライバルだ。
おもしろくないだろうし、俺がうつつを抜かす間に彼らは自分を磨いてくる。
だが、キミとのやり取りを通じて、
オレは少しずつ未熟な自分を受け入れられるようになってきた。お互いに成長していくことができる関係でありたいと願う。
師走がそばに来ている。
寒くなってきたね。
身体には気をつけて、また近況を聞かせてほしい。
この先も共に書き続けよう。三葉亭くんの存在がどれほど大切か伝えていきたいと思っている。
心からの敬意と感謝を込めて
2024年11月14日 神宮寺 凌 拝