『コンフィデンスマンJP 英雄編』〜存在感だけでそれはもう‥
父が亡くなった後、我が家に来ている母との時間も正直そろそろ煮詰まってきている。
これは気分転換に、見よう見ようと思っていた『コンフィデンスマンJP 英雄編』を見に行くタイミングかな、と思い、今日家事を母に任せて一人出かけることにした。
もう既に見に行った方達の感想はいろんなところで目にしていた。
春馬くん演じるジェシーと竹内結子さん演じるスタアの映像の出演はない、と。でも存在はある、と。そっか、やっぱりな、そうだよな。映像の出演は難しいんだろうな。
でも、今週の映画ランキングは1位だし、シリーズ最高傑作だったという声も聞こえてくるし、まあ、あまり期待しないで、エンタメ作品として楽しめればいいや、とそんなつもりでシアターのシートに身を沈めた。
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舞台はマルタ島。
青い海と美しい街並みに、ダー子のプリントワンピースがやけに鮮やかに映える。
映画のレビューや感想はたくさんの方達が発信しているので、敢えて私は春馬くんのジェシーのことだけしか書かないので悪しからず。
ネタバレにならない程度に。
やはり残念ながらと言おうか予想通りと言おうか、ジェシーの姿かたちそのものはは無かった。
でも、その存在感を感じた瞬間に、鼻の奥がツーンとして視界が滲んで来てしまった。
そして、終盤にダー子が語る「英雄とは何ぞや」というところ。
それはもう、私にとっての、おそらくファンにとっての春馬くんそのもので・・・。
おそらくこれは、脚本の古沢さん、監督の田中さん、そして長澤まさみさんはじめとする共演者の皆さんが、春馬くんや竹内結子さんに向けて、そのファンに向けて発信してくださったメッセージなのだと思わせてはくれまいか。
更に、最後の最後に贋作職人があの方で、ひらりとシャツを翻してマルタ島の喧騒の中へ消えていったのを見て・・・
ああ、
春馬くんも、
もしかしたらあんな風に秘かに、
綺麗な海に囲まれたどこかの街で、
別の誰かになりすまし何かの職人となって暮らしていないかな・・・
なんて。
その自分の想いに、私の下瞼ダムが決壊し、涙が頬を伝う。
こんなところで泣いている人は誰もいなかったけど、私ひとり鼻水すすりながらシアターを退出。
帰路はずっと、おなじみOfficial髭男dismのテーマソング『Anarchy』の
♪どうかしてる どうかしてる ♪
が脳内リピート。
結論。
観に行ってよかったんだと思う。
マルタ島の美しい色彩を目に焼き付けて
私にとって、英雄は、紛れもない、春馬くんだ、
春馬くんこそ英雄だ、
と、そんな想いで家に到着。
母が作ったおでんが待っていた。
「ありがとう、お母さん」
と言いながら、一緒にキッチンに立つ。
まだ脳内では
♪どうかしてる どうかしてる ♪
と綺麗なハイトーンボイスが鳴り響いている。
映像では見られなかった細身で姿勢のいい青年が
マルタ島の鮮やかなハーバーを闊歩している光景が脳内で流れる。
美しい私の英雄が。