想像以上にリアルを感じた映画〜「シビル・ウォー アメリカ最後の日」
映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」。例によって、ほとんど予備知識なしに観たのだが、これほどまでに予想と違った映画は珍しい。私が持っていたのは、内戦状態におちいったアメリカが舞台の映画という程度、その設定から近未来的な想像の世界をイメージしていたのだが、まったく違ったものだった。そこにあるのは“リアル“である。
2021年、トランプ支持者らが大統領選挙の不正を訴え、ワシントンDCにある、アメリカ合衆国の連邦議会議事堂を襲撃した。これは現実である。そして、今年はドナルド・トランプが暗殺されかけた。これも事実である。
こうした暴力行為がエスカレート、大統領府が暴走、国家の中での分断が鮮明になったとしたら何が起こるのか。一部の州が連邦を離脱し、そうした勢力が集まり、大統領政府を中心とした連邦政府と武力衝突が起こる。内戦、“シヴィル・ウォー“である。
この映画における視点は、この内戦を取材するため、命を張って戦場に飛び込み、現場写真を撮影するジャーナリストたちである。
映画はもちろんフィクションである。しかし、映画を観ているうちに、これは現実ではないかという錯覚におちいる。あるいは、ジャーナリストらと一体化し、戦争の“リアル“を肌身で感じるようになる。クライマックスは・・・凄い! それは映画館という場所でなければ、体感できないことだろう。
「ぜひ観るべき映画ですよー」と、誰にでもお勧めできる作品ではない。「妻と一緒に来なくてよかった」とも思った。
それでも、世界の歯車が少し狂ったらなにが起こるのか、今も各地で続く戦争の現実は、報道の本質とは、こうしたことを考えたい方は、映画館に行くことを推奨する。
ちょっと、とんでもない映画だった
監督・脚本はアレックス・ガーランド。ちょっと他の作品も観てみたくなった