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NICU⑯|染色体異常


一夜明けて9月2日。

“元々の出産予定日” でもあるこの日は、先日から言われていた「染色体異常」についての面談があり、予定通り夫婦で病院へ向かう。


病院に到着後、面談まで時間もあったため、その間NICUで息子と面会しながら待つことにした。

この日は、ニット帽を被りスヤスヤと眠っているが、昨夜から午前中かけてもよく泣いていたとのことだった。
(正常と言えば正常なのだが)


そして、息子の寝顔を見て夫婦で癒されていたが、10~15分くらい経った頃、看護師から声を掛けられ面会を一時中断。面談室へ移動した。

たまたま今回の面談室が、妻の入院していた棟内にあり、退院してまだ一週間程度しか経っていないものの、少し懐かしく感じる。


そして、説明医師は新生児科の方だったが、この方は先述した医療チーム面談二回目の担当医師である。
(息子の推定体重に関する見解も、この医師の予想通りだった)


基本的に面談には「説明者」のほかに、別の医師と看護師も同席するが、この時同席して下さった看護師は、夫婦共々心から信頼していた方だった。
(メインの担当看護師が夏季休暇に入っており、その期間に非常にお世話になった)


私自身、医療従事者ではないものの、従妹が看護師だったり、男女問わず看護師の友人もいる。

彼らも人間であるし、日々多くのストレスも抱えながら仕事に向き合っていることはよく知っている。

しかしながら、私たちがお世話になった病院の看護師たちは、本当に良くしてくれる方ばかりであり、息子に対しても親身に向き合い、優しく接してくれていた。

特にメイン看護師、初抱っこの時の看護師、そしてこの染色体異常で同席して下さった看護師の三名には本当にお世話になったし、感謝してもしきれない。


そして、いざ面談が始まり、 “なぜ今回このような機会を作ったか” という経緯を説明をされた。

通常の出生でも「3~5%」ほどは、何かしらの「先天性疾患」を一つ持っているそうだが、息子の場合は「二つ」

何度も言うが、これはかなり “稀” であるということで、染色体異常が疑われたのである。

検査を受けることで「今後の見通しや治療計画に繋げられる」ようになる。
(「○番目に異常 → 〇歳頃に△△が発症する可能性あり」…など)

しかしその反面、デメリットとまでは言わないまでも「認知していない家系の異常などが発見される」ということもあるようだった。
(私たちは特に気にしなかったが)


また、この面談は「両親が揃って説明を受ける」ことを強く推奨されている。

それは「ヒトの染色体が『両親から半分ずつ』受け継がれている」ため、より正確に検査前に把握するには、夫婦二人にヒヤリングする必要があるということだった。


そして、両家に「先天性疾患」を持って生まれた人間がいるか否かのヒヤリングが始まる。

息子から見た「三親等」、つまりは “曾祖父母” までで考えるが、特筆すべき異常は無く、あるとしても後天的に異常が起こったケースのみだった。

現段階では疑わしき家系の異常は無いものの、一通り説明を聞き、私たちとしても「息子の将来のため」「未来の『弟・妹』のため」にちゃんと把握しておきたいという思いで一致し、検査に同意した。


結果が分かるのは「約一か月後」

その頃には、息子も手術から回復して、退院時期を検討する段階かなという会話しながら、面談は終了した。


そして、再び息子のいるNICUに戻る…


つづく


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