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友達遺伝子

カテゴリー:サイエンス
読むのにかかる時間:約5分


以下の記事が面白かったので、まとめてみました

導入

友だちと過ごした学生時代、その影響があなたの将来の健康に関わっていると聞いたら驚きませんか?アメリカで行われた最新の研究で、「友人の遺伝子」が精神疾患や物質依存症など、長期的な健康リスクに関わる可能性が示されました。この記事では、この研究の詳細とその意味について解説します。


本文

学生時代の友だちが将来の健康に影響?

アメリカ・ラトガース大学の研究チームは、友だちの遺伝子型が私たちの健康に影響を与える可能性があることを発見しました。この現象は社会的遺伝的影響と呼ばれ、友人が持つ遺伝子的な要因が、本人に遺伝的なリスクがなくても同様の健康リスクを高めることがあることを示唆しています。

例えば、遺伝的に薬物乱用や精神疾患のリスクが高い友だちと過ごした人は、自分の遺伝子にそのようなリスクがなくても、同じ健康問題を発症する可能性が高くなるということです。この影響は主に17歳から30歳の若者に見られ、特に物質使用障害においては顕著でした。

どのような遺伝的影響が考えられるのか?

今回の研究では、スウェーデンの調査データを用い、17歳から30歳の若者の医療記録約65万件を分析しました。この中で、薬物使用障害や重度のうつ病、不安障害などの健康問題に関連する遺伝的リスクスコアが算出されました。

研究の結果、特定の遺伝的リスクを持つ友だちと一緒に過ごすことで、同じ健康問題にかかるリスクが高まることがわかりました。特に、同じ学校に通った友人同士でこの傾向が強く、アルコール依存症のリスクなどが最大で59%増加することが確認されています。

社会ゲノミクスの新しい可能性

このような友だちの遺伝子の影響は、社会ゲノミクスと呼ばれる新しい研究分野で注目されています。社会ゲノミクスでは、個人の遺伝子型が他者の行動や健康にどのように影響を与えるかが研究されており、今回の研究はその一環です。

特に興味深い点は、友人が実際に健康問題を発症していなくても、その遺伝子が他者の健康に影響を与えている可能性があるということです。例えば、遺伝的にアルコール問題を抱える可能性が高い友だちと同じ学校に通った人は、その友だちがアルコール依存症でなくても、将来アルコール依存症になるリスクが高まることが示されています。

なぜ友だちの遺伝子が影響を与えるのか?

この研究が示唆するのは、単に友人の行動や習慣が影響を与えるのではなく、遺伝子という深いレベルでの影響もあるということです。つまり、私たちが属する社会的な環境が、遺伝子的な影響を通じて健康に作用しているのです。

なぜこのようなことが起こるのかはまだ解明されていませんが、研究チームは今後さらに調査を進める予定です。友だちの遺伝子が健康に与える影響を理解することで、精神疾患や依存症の予防や治療に新しい視点が加わるかもしれません。


まとめ

今回の研究から、学生時代の友だちの遺伝子が、私たちの将来の健康に影響を与える可能性が示されました。特に薬物使用や精神疾患において、友人の遺伝的リスクが自分自身の健康リスクに反映されることがわかりました。この知見は、今後の精神疾患の治療や予防に役立つかもしれません。


#遺伝子 #精神疾患 #健康リスク

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