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satoshi_st
著…瀬尾まいこ『優しい音楽』
ふんわり優しくて、時折、心をちくんと刺すような切なさもある小説。
⭐️Kindle版
⭐️文庫本版
※注意
以下の文は、結末に関するネタバレを含みます。
表題作の『優しい音楽』は、他の誰かの身代わりとして愛される…という、ショッキングな恋物語です。
主人公の永居くんは、千波ちゃんの大事な人にそっくり。
だから彼女に気に入られて、交際をスタート出来ました。
その人物に似ていることがきっかけで、永居くんは千波ちゃんの家族にも受け入れてもらえました。
そして、永居くんも努力してその人物に成りきろうとしました。
今までの人生で一度も吹いたことのなかったフルートも、一所懸命練習しました。
結果として、みんなでとても素晴らしいひとときを過ごすことが出来ました。
優しい音楽に包まれて…。
その後、永居くんは知ります。
実際のその人物はフルートなんて吹けなかったということを。
それでもみんなは永居くんのことを大好きなまま。
この『優しい音楽』を読んでいて、わたしはエドモン・ロスタンの書いたシラノ・ド・ベルジュラックの物語を思い出しました。
全然違う話のはずなのに不思議です。
シラノも永居くんのようになれたら良かったのに…。
〈こういう方におすすめ〉
心温まる小説を読みたい方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間くらい。
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