著…森洋子『ブリューゲルの世界』
こんばんは。
「ストーリーを想像しながら絵を見るのが好き」という方におすすめの本をご紹介します。
画家ブリューゲル作品の解説、年譜、交友関係、ヒエロニムス・ボスへの挑戦など、様々な考察が載っています。
「えっ何これ!?どういう状況!?」と覗き込みたくなるのがブリューゲルの絵の魅力ですよね。
とても奇妙。
例えば『ネーデルラントの諺』という作品。
悪魔をクッションの上で縛る女性、柱を噛む人、同じ穴からお尻を出して二人一緒に排便をする人たち、燃える炭火の上に座る人などが描かれています。
他の画家の絵ではなかなかお目にかかれないモチーフですよね…。
二度見どころか三度見したくなります。
ブリューゲルの絵って、ジッと見ていると自然とストーリーが頭に浮かぶのでわたしは大好きです。
『豚小屋に押し込められる酔っぱらい』では、夫を懲らしめる妻や、豚小屋に入っていく夫の情けない姿がユーモラスに描かれています。
それだけでなく、妻に協力する村人たちがやいのやいの言いながら盛り上がっている声が今にもこちらに聞こえてきそう!
「ああ、きっと村人たちの中には何が何だか分からないけれど祭りだワッショイ!みたいな感じで参加している人もいるんだろうな」と想像をかき立てられます。
こうした面白い絵もありますし、『バベルの塔』のように見る者を圧倒する絵もあれば、『ベツレヘムの嬰児虐殺』や『死の勝利』のように阿鼻叫喚が聞こえてきそうな恐ろしい絵もあり…、本当にブリューゲルの作品は奥深いです。
ちなみにわたしが一番共感するのは『怠け者の天国』。
「人をダメにするクッション」に全体重を預けてぐうたらしている時のわたしはまさにこの絵のような状態になっています。
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