詩…谷川俊太郎 絵…田中渉『あなたはそこに』
こんばんは。
大切な人やペットを亡くした経験のある方におすすめの詩集をご紹介します。
短くも美しい言葉の煌めきと、優しく繊細なイラストが合わさって、まるで切ないショートフィルムを観ているかのような気持ちを味わえます。
この詩集に出てくるのは、「わたし」と「あなた」。
1枚、また1枚とこの詩集のページを捲る度に、「わたし」と大切な「あなた」との時間は過ぎ去っていきます。
いつまでも続くかのように思えた日常は、残念ながら終わりを迎えます。
「あなた」が亡くなってしまったからです。
だから「わたし」と「あなた」はもう会えなくなってしまうのですが、
「ほんとうに出会ったものに別れはこない」
という言葉が胸に刺さります。
わたしはこれを読んで、「ああ、ただ会えなくなっただけなんだ…。さよならじゃないんだ…」と、とても救われた気分になりました。
きっと、「あなた」の体が亡くなってしまって
も、「わたし」の心の中に「あなた」が生き続けている限り、本当のお別れはこないのでしょうね。
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