著…長谷川裕也『靴磨きの本』

 こんにちは。

 ピカピカの靴を履いて気分を上げたい人におすすめの本をご紹介します。

 靴を長持ちさせるだけでなく、経年変化を楽しんで靴を「育てる」お手入れの面白さや方法が紹介されています。

 ブラシでほこりを落としてクリーナーで拭き取るだけでも十分ですが、クリームやワックスを塗って馴染ませたり、磨きを繰り返していけば、靴がキラリと光ります。

 なんだかお肌のお手入れをしているみたいで楽しいですよね。

 この本に載っているのはほとんど紳士靴ですが、パンプスや革小物についても紹介されているので、女性であるわたしにも参考になりました。

 わたしが特に素敵だと思ったのは、

「あるとき、50歳代の人が〝20歳代のころに買ったお気に入りの靴だが、さすがに古くなったので処分しようと思う。その前にこれまでの感謝を込めてきれいに磨いてほしい〟と言って店を訪れてくれた。その、靴を大切にする思いに感激した僕は、心を込めてピカピカに磨き上げた。仕上がりにお客さんは喜んでくれたうえ、〝まだまだ履けそうだ〟といって帰っていった」
(P9〜10から引用)

 というエピソード。

 素敵ですよね。

 処分する予定のものを「これまでの感謝を込めてきれいにしたい」というのはなかなか出来ない発想ですし、気に入ったものを大事に長く使うのって実は難しいこと。

 「まだまだ履けそうだ」という言葉には、「まだまだ人生を楽しめそうだ」という意味も込められていそうな気がします。

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