創業相談をしてみた(2024年5月14日)
こんにちは。小さな書店「本屋フォッグ」の店主・イイムラです。
私が何者かについてはこちらの記事を読んでいただけたら嬉しいです。
この記事の内容:創業相談窓口で話したこと
自分の店を持ったらやりたいことができた
店舗を持った書店を開く場合、本を売る以外に何をしたいだろうかと考え続けて、いったんの答えが出た。それは勉強のサポート。
僕は中高の教員として働いていた頃、「授業で知識を得て、効率よく問題を解くことが勉強だ」という考え方に違和感を持っていた。同じことを感じている教員は多いと思う。コロナによる一斉休校が、学校と授業の価値って何なんだという疑問を社会に突き付けたことも大きかった。
生徒から学ぶこともたくさんあった。
人が何かを学ぼうと思ったら、環境さえあればどこまででも行けること。偏差値や模試の判定による出来不出来なんて、一面的で実体のないものだということ。
そして、教師がやるべきなのは、誘導でも併走でもなく、もっと細やかなサポートである場合があること。
その「もっと細やかなサポート」の細やか度合いを調節しながら、子どもや学びたい大人を応援することが自分ならできるかもしれないと思ったのだ。
書店×学習塾ではない何か
僕がイメージしているのは学習塾ではないし、書店×学習塾の相乗効果を狙いたいわけではない。
勉強サポートというのは「勉強中に寝てたら起こす」「何から始めればいいか、おしゃべりしながら一緒に考える」から始まるような、小さなこと。
本が買えて、本が好きな人が出入りして、そこで勉強もできるし、仕事もできる。さらに、学び始める最初のステップを用意するサポートがある。
そういう、説明がややこしい何かができたらいいと思う。
「本の長屋」の函店主の中に、子どもたちに混じって書道教室に通って習字をやっている人がいる。その人の姿や言葉にも背中を押された。
自治体の創業支援事業の窓口へ
書店で本を売ることと、上に書いた勉強サポートを繋ぐ仕組みを考えて(ここには書かない)創業プランを練っていくことにした。
住んでいる自治体の創業支援窓口に連絡して、ビジネスの視点からアドバイスをもらった。Zoomで1時間。
書店をやることへの温度低めの反応
最近、書店や本の周りにいる人たちと過ごす時間がそうとう長かったから「本の未来は明るいと信じている」「大変だろうけど本屋を残したい」という言葉を聞くことが多い。
でも、今回相談した人は飽くまで「ビジネスとして維持できるか」という話をしていた。そういう窓口なんだから当たり前なんだけど。
維持するためのサブスク的収入
僕が説明したプランは、売れた本の数と「勉強サポート」の利用回数によって売上が決まる仕組みだった。本とサポートは繋がってはいるものの、それぞれの単価×数量の合計で決まる売上。
それに対して相談員の人が挙げた例は「コワーキングスペース・レンタルオフィス」だった。
コワーキングスペースは、1時間あたりの料金(ドロップイン)と月額利用料金が設定されていて、席料で稼ぐ事業。
一方、レンタルオフィスは、フリーランスの人が自宅の住所以外に事務所を持ちたいけど賃貸物件を借りたくない場合に、住所と机をサブスクリプションで貸す事業。サブスクを契約する人がオフィスを畳まない限りはお金が入り続けるから、安定した経営ができるとのことだった。なるほど。
「それに対してイイムラさんのプランは」と相談員の人が言う。「安定収入がないので維持が大変だし、軌道に乗るまで苦労はすると思います」
勉強サポートの月額プランはあり得るか
自習室の利用者同士の交流パーティがあるとか、スキルアップセミナーを安く受けられるとか、そういった登録型月額サービスはある。でも、僕がやりたいことはそれではない。本屋をやりたいんだから。
でも、既存のサービスを参考にしつつ、安定収入を確保しながら書店を維持していく方法はあるかもなと思った。授業を行う学習塾ではない勉強サポートに月額でお金を払いたい人が現れるには、どういった形がいいだろう。
やりたいことと、やっていけることを両方見失わないようにしながら、考えていきたい。
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