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なぜ、金はこんなに高くなっているのか?
1グラムの金の相場が1万円を越しそうな勢い
金の地金相場が9,300円を突破したそうです。対して4700円くらいでした。純粋に倍くらいになってしまいました。
これはジュエリー業界では致命的な問題に近いです。単純に商品価格に影響するので、金のうんこショップなどは値上げせざるを得ない状況です。
このように、金の価格の高騰は、ジュエリー産業に多くの影響を及ぼしています。
ジュエリーは、装飾品や投資対象としての需要があり、金の価格変動は市場全体に影響を与える為、その影響は宝飾業全体に波及しています。
需要の低下と価格の上昇
金の価格が高騰するとジュエリーの需要が低下する可能性があります。
高価な金の価格により、消費者はジュエリーの購入を控えるか他の代替品を選択する可能性があります。個人的には10分の1の相場を知っているので高すぎると感じています。
また、ジュエリー製品の価格も上昇する為、需要が減少する事があります。
特に手頃な価格のジュエリーにおいては、需要減少が顕著に現れる事があります。
ジュエリーは贅沢品である為、景気が良くても1番最後の贅沢として購入され、景気が悪くなると1番初めに削られてしまう物です。
製造コストの増加
金の価格が上がると、ジュエリーの製造コストも増加する事があります。
ジュエリーは金を主要な素材として使用している為、金の価格上昇により、製造コストも上昇します。
また、金の価格変動は急激である事があり、生産者は価格の変動に対応する為にリスク管理を行う必要があります。
これにより、ジュエリーの製造にかかるリスクやコストが増加する可能性があります。
ボクの実家は宝石職人の為、地金をまとめ買いするのですが一気に100万円くらい購入している時がありました。
それが今や同じ重量では10倍の1,000万円となってしまうので、10分の1の重量しか買う事が出来なくなってしまいました。
デザインや素材の変更
金の価格の高騰は、ジュエリーのデザインや素材の選択にも影響を与える事があります。金の価格が高いと、生産者は他の素材を使用するか、デザインを変更する事でコストを削減しようとするかもしれません。
例えば、金の代わりにシルバーやプラチナ、または合成石を使用するなどの選択肢が考えられます。
これによりジュエリーのデザインや素材の多様性が変化する可能性があります。
プラチナの相場は上に書いたように半分程度ですが、比重が金の1.6倍程度となっているので、同じ物を作っても1.6倍の重量があります。その為、相場では半分でも実際の価格は金製品より少し安いといった程度です。
ただ、シルバーに関しては1グラム120円と破格の安さなので、そちらにシフトする可能性は高いと思われます。
実際に運営しているプロポーズリング屋さんは素材をシルバーとする事で価格的にもリーズナブルになっていて手軽に購入出来るジュエリーとして扱われています。
投資需要の増加
一方で、金の価格の高騰は、ジュエリーを投資対象とする需要を増加させる可能性もあります。
金は伝統的に価値の保全やインフレ対策の手段として投資家に人気があります。金の価格の上昇により、ジュエリーを投資対象とする需要が増える事があります。
金の価格が高騰すると、投資家は金をジュエリーとして所有し、将来の金価格の上昇によるキャピタルゲインを期待する事があります。
これにより高級な金のジュエリーへの需要が増加する可能性があります。
運営する婚約指輪や結婚指輪を扱うネットショップのブリリアントジュエリーはプラチナとして扱っている商品を18金で作った場合の見積もりを依頼される事が増えてきました。
ブランドイメージと顧客の意識
金の価格の高騰は、ジュエリーブランドのイメージや顧客の意識にも影響を与える事があります。
金は高級な素材として知られており、価格が高騰すると、その高級性や希少性が更に強調される可能性があります。
これにより、高級ジュエリーブランドのイメージが向上し、ブランドの認知度や魅力が高まる事があります。
また、顧客も金の価格の高騰に対してより高い関心を持ち、金を使用したジュエリーの価値や魅力についてより深い理解を持つようになるかもしれません。
金のうんこショップに関して言えば、あまり変わらずな感じはします。ただ、ジュエリーブランドの金製品に関しては確かに高級性や希少性のアピールをする可能性は大いにあります。
各ブランドのホームページなどを見ていると少しづつ金の商品の写真が多くなっている気がします。
ブランドジュエリーは元々高級なイメージがありますから、金を今までよりもっと高級な素材として扱うのかも知れません。
サプライチェーンの変化
金の価格の高騰は、ジュエリー産業のサプライチェーンにも影響を及ぼします。
金は世界中で採掘され、精錬され、加工される為、価格変動はサプライチェーン全体に波及します。
金価格の高騰により、金の供給や精錬のコストが増加する事があります。これにより、生産者や販売業者はサプライチェーンを再評価し、新しいサプライヤーを見つける、製造プロセスを見直すなどの変更を行うかもしれません。
これに関しては、職人が安く叩かれる状況が続いており、加工賃などのコストをアップしてくれるのかは疑問がありますね。
持続可能性と倫理的な配慮
金の価格の高騰は、ジュエリー産業における持続可能性や倫理的な配慮の重要性を高める事があります。
金の採掘は環境に対する影響が大きく、人権や労働条件の問題も存在します。金価格の高騰により、消費者や業界内の関係者は、持続可能なジュエリーの需要を高める傾向があります。
例えば、リサイクル金の使用やフェアトレード認証を含む金の認証制度への関心が高まる事がありますし、消費者はジュエリーブランドの倫理的な取り組みや持続可能性に対する評価をより重視するようになるかもしれません。
これにより、ジュエリーブランドは持続可能性や倫理的な配慮を重視し、自社のサプライチェーンを改善する必要性を感じる事があります。
元々金の採掘量は25メートルプール1杯分程度しかありません。
ボクも買い取った金を分析に出して精製し直した金を新しい商品の材料に使う事が普通なので、リサイクル性が高くないと作れない物です。
価格の変動と需要の変化
金の価格の高騰は、ジュエリーの需要にも影響を与える事があります。高騰により、ジュエリーの価格が上昇し、消費者の購買意欲が低下する可能性があります。
また、金の価格の変動が激しい場合には、消費者の購買行動に変化が生じる事があります。
例えば、価格が高騰している時期には、代替素材を使用したジュエリーへの需要が増加するかもしれません。
また、需要が低下するとジュエリーブランドは売上の減少に直面し、事業戦略の見直しを余儀なくされるかもしれません。
宝飾業界はこの点を1番心配しています。ブランドジュエリーが金製品を新たにアピールしたとしても値上げ率はとても大きく、消費者の想像を超えてしまうようであれば離れてしまう可能性もあります。
需要の地域的変化
金の価格の高騰は、ジュエリーの需要の地域的変化をもたらす事があります。金の需要は地域によって異なり、一部の地域では金を重要な結婚指輪や婚約指輪の素材として好む傾向があります。
しかし、金の価格の高騰により、これらの地域においては需要が低下する可能性があります。一方で、金の価格が高騰すると、需要の高い新興市場や新興国においては、金のジュエリーへの需要が増加する事があります。
日本の場合の金は18金という合金ですが、東南アジアでは24金が使われており、金相場の価格はこの純金です。ですので、同じ製品でも24金の方が高価になりますから、需要の低下に繋がりやすいのです。
価格設定とマーケティング戦略の見直し
金の価格の高騰は、ジュエリーブランドの価格設定やマーケティング戦略にも影響を与える事があります。
価格が上昇すると、ジュエリーブランドは自社の価格設定を見直し、新たな戦略を考える必要があるかもしれません。また、価格が高騰する事で、競争が激化し、マーケットシェアを獲得する為には、独自のマーケティング戦略を策定する必要があります。
例えば、高品質のジュエリーを提供する事や、持続可能性などを強調する事で消費者の興味を引く事が出来ます。
どちらにしても金が高いのは事実なので、製品の値上げは避けられません。
そこでの新たなマーケティングの方向としては高級性と希少性が業界としてはベストな選択だと感じます。
新たなビジネスチャンスの創出
一方で、金の価格の高騰は新たなビジネスチャンスを創出する事もあります。
例えば、金の代替素材を使用したジュエリーの開発や、リサイクル金を活用したジュエリーの製造など新しい価値提供をする事で市場のニーズに応える事が出来ます。
また、金の価格の高騰により、ジュエリーブランドは金の保有や取引に関する投資戦略を見直す事も必要となります。
ボクは20年以上前に金で作った商品を未だに持っています。当時の金相場は1グラム1,000円で今の約10分の1でした。6グラムの商品なので今の価値は当時の10倍となります。
20年以上金の貯蓄をしている方は相当少ないと思いますので参考にはなりませんね。
ただ、今後の値上げの可能性は高いので投資としては良いですが、元手は当時の10倍なので、手持ち金がないと大変ですね。
まとめ
ジュエリーにおける金の価格の高騰は、様々な影響を及ぼします。
ジュエリーブランドは原材料費の上昇によるコスト増や価格設定の見直し、需要の変化や地域的な需要の変動に対応する必要があります。
また、消費者の購買行動の変化や持続可能性や倫理的な配慮への関心の高まりを考慮し、自社のビジネス戦略を見直す必要があります。
しかし、金の価格の高騰は新たなビジネスチャンスを創出する事もあり、持続可能性や独自のマーケティング戦略を活用する事で、市場の変化に対応し成長する事が出来るでしょう。
ジュエリーブランドは市場の変化を見極め、戦略的な判断を行う事が求められますね。
あぁ、気が重いです(^^;)