初めて買ったレコード
〜ホノルル発〜
itunesカードをいただいた娘、さっそくお気に入りの曲を購入するようだ。
1番最初に購入した曲って、あとあとまで“思い出の曲”として心に残るはずだから、「慎重に選ばなきゃ」って。
ああ、そういう大切なことをなぜ誰も教えてくれなかったのか。
娘から「自分で初めて買った曲はなに?」と聞かれる前に、そそくさとその場を離れた。
私が初めて自分のお金で買ったレコード…(昭和の子どもはレコードなのだよ)
確か小学校3年生か、4年生だったか。あの日、家族みんなで平塚の七夕祭りに出かけた。
お小遣いで2人の姉はリンゴ飴や髪飾りなんかを買っていた。迷いに迷っていた私は、「そろそろ帰るぞ」という父の呼びかけに焦りまくり、近くにあったレコード屋に飛び込んだ。
初めて聴いたときに「なんじゃ、この曲は!?」と小学生の私が衝撃を受けたレコードが、入り口近くのワゴンの中にあった。
ダウンタウンブギウギバンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」
「もう行くよ」とせかされ、気づいたらレジで支払いを済ませていた。
姉たちから「何買ったの?」と訊ねられ、レコードを見せると「七夕で子どもがそういうの買うか」と呆れられたが、父は「ホォ〜」とだけ言い、駅の切符売り場の長蛇の列にショックを受けていた母は完全スルーだった。
なんども聴いた曲なのだが、
「ちょっと前なら覚えちゃいるが」と「あんた、あの娘の何なのさ」
それぐらいしか覚えていない。
これを書きながら、久しぶりに曲を聴いて、歌詞をじっくり読んでみた。
そして思った。
小学生の娘がこのレコードを買って、「ホォ〜」って。
どんな父親だよ。