【うつ病になった大学生】 夢の中のわたしのリズム
何も言葉を紡ぐ気持ちになれない。
希死念慮に飲み込まれていく。
それでも、わたしの言葉が好きだと言ってくれる人がいるから、一生懸命言葉を紡いだ。今日は詩を書くことしかできないけれど、それでも今日も生きた。それを証明する詩。
わたしの言葉を希望と呼んでくれるきみがいるから
わたしは今日も生きていられる
この空っぽの存在に言葉を託すことができる
暁に染まるまちの中で
わたしは束の間の夢を見た
その夢の中で わたしは言葉を食べていた
朱色の空に包まれて わたしは言葉を食べていた
長い長い眠りのあとで
吐き出されたみにくい言葉
消化不良のままのみにくい言葉
そんな言葉をきみは綺麗だと言って 音階をつけた
音を持った言葉は リズムを持った
わたしの身体の外側で
わたしの中の言葉が踊る
群青色のまちの片隅で わたしの言葉が踊っている
夢を見ているのだと思う
これは何かの夢なのだ
始発電車の音がして
目を覚ましたわたしの身体に残る言葉のリズム
これもきっと夢なのだ
わたしは長い長い夢の中で
今日も確かに生きていく
心地よいリズムに揺られて
今日も言葉と生きていく
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