【うつになった大学生】 昨日よりも優しくなる。
他人が心を込めて紡いだ言葉を読むと嬉しくなる。
拙い文章であっても、わたしへ向けられた言葉でなくても、その人の内側から溢れる言葉に触れられると嬉しい。
そして、ほんのたまにだけれど、言葉の呼吸が合う人に出会える。
言葉の選び方やリズムが同じ人。
息をするように言葉がわたしの中に入ってきて、血液に溶けていく感覚。
そんな人はなかなかいない。
好きな作家さんであっても、言葉の呼吸まで同じ人とはほとんど巡り合ったことがない。
わたしが生きる意味は、そんな書き手と出会うことなのかもしれない。
心が喜ぶ文章と出会うことなのかもしれない。
だとしたら、わたしはまだ生きなければならない。まだ出会っていない。
わたしと同じように呼吸する人と出会いたい。
できればその人と会って話がしたい。
もし、わたしの言葉をそんなふうに受け止めてくれる人がいたら、それはもっと嬉しい。
なぜなら、言葉は読み手によって初めて完成されるから。
誰かの血液に溶けたわたしの言葉は初めて意味を持つ。
わたしは文章を書くことで、自分がここに在ることを認めたいと思っている。
それと同時に、この文章に共感してくれるあなたもまたここに在っていいのだとも言いたいのだと思う。
偉そうなことは書きたくないけれど、わたしの痛みに触れることで、誰かの痛みにもそっと触れて、すべてを一緒に抱きかかえてあげられる文章を書きたい。
わたしはそうやって、言葉の数だけやさしくなりたい。
昨日よりも優しくなることが、生きる、ということなのかもしれない。
そんな人生であればいいなと思う。
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