お金は血、財布は拳銃!? 10冊の本で考える「マネーの正体」と上手な付き合い方【Business Insider連載】
財布は拳銃に似ている。懐に忍ばせておいて、いざという時にサッと取り出す。護身用の道具でもあり、同時に人を傷つけたり殺めたりもする。
お金は血に似ている。どちらも命に関わるエネルギーの源だ。流体で生臭くて、輝いている—— 。
アーティストの赤瀬川原平による『ふしぎなお金』は、たくさんの「たとえ」とドキッとさせるイラストを駆使して「お金ってなんだろう」を問いかける。
むかし、大きな石がお金として機能していた社会では、うっかり石が海に沈んだあとにも「そこに石がある」という信用に基づいて価値のやりとりが続いていた。
つまり、お金って信用のこと? 約束のこと? じゃあ紙幣やコインはなんなのか。問いから問いへ、お金をめぐる探索に終わりはなさそうだ。
貨幣はなぜ生まれたのか
『貨幣の歴史』(デイヴィッド・オレル/著)と『貨幣の「新」世界史』(カビール・セガール/著)は、貨幣がどのように生まれ、発展してきたかを知るために最適な2冊だ。
貨幣の歴史をさかのぼると、5000年前にたどりつく。メソポタミアで都市文明を築いたシュメール人は、粘土板に楔形文字を記した。そこには、古代の金融システムの姿が刻まれている。
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