5万本のヒマワリが咲き誇る真夏の昭和記念公園へ
昭和記念公園ではいま、2つのヒマワリ畑が美しく咲き誇っています。
夏の王様
ひとつは、5万本のハイブリッドサンフラワーが植えられた広大な畑。背丈が高く、大輪の花を咲かせるこのヒマワリは、まさに“夏の王様”の風格を漂わせています。一輪でもすごいインパクトですが、それが視界いっぱいに広がる光景はまさに圧巻です。
ヒマワリ畑の中にはいくつもの通路が用意されています。ヒマワリの花を間近に眺めながら歩いていると、ミツバチや蝶の姿もちらほら見かけました。
ヒマワリ畑の南の端には見晴台が設置されており、一面に咲くヒマワリを俯瞰して眺めることができます。
昭和記念公園の公式SNSによると、ハイブリッドサンフラワーの見頃は今週の金曜日、8月9日までになる見込みとのこと。
ヒマワリが太陽の方角を向くワケ
ところで、ヒマワリが太陽の方角を向く理由をご存知でしょうか。ヒマワリの茎の中にある成長ホルモンは、太陽の光が当たらないほうが濃度を増すため、光が当たらない側の茎が成長します。その結果、太陽の方角に向けて花が曲がることになります。しかし花が咲くと次第に成長ホルモンの分泌が減少して茎が固定されるため、太陽を追いかけなくなるそうです。
丘に咲く可愛らしいヒマワリ
さて、もうひとつのヒマワリ畑はすこし南に向かって歩いた「ハーブの丘」にあります。ここに植えられているのは、サンフィニティという品種。背丈は腰の高さほどで、花も手のひらサイズくらいです。丘の上にはフォトスポットの扉が置かれています。
隈研吾さん設計のカフェでひと休み
2つのヒマワリ畑をめぐったあとは、建築家の隈研吾さんの設計による「オカカフェ」で喉を潤しました。木組みのデザインと周囲の環境が心地よく調和しており、ガラス張りの店内は開放的でゆったりと寛げます。
昔の農村風景が味わえる「こもれびの里」
次に訪れたのは、昭和30年代の武蔵野の農村風景や暮らしを再現した「こもれびの里」。母屋に入ると、ボランティアスタッフの方から螺旋状に編まれた籠を手渡されました。これは蛍を入れる籠。ここ武蔵野の一帯ではかつて小麦の栽培が盛んだったことから、麦の茎を曲げて籠を編んでいたそうです。
この季節ならではの生き物や植物
次に向かったのは「花木園展示棟」。ここではトンボの写真展が開催されていました。美しいトンボの写真に見惚れていると、「マユタテアカネならすぐ近くで撮れるよ」とボランティアスタッフの女性が教えてくれました。女性に連れられて草むらに入ると、赤い尾を持つ小さなトンボを見つけました。
展示棟の近くにある売店の前では、トケイソウという変わったかたちをした花も咲いていました。
ヒマワリのほかにも、この季節ならではの花や生き物にたくさん出会える昭和記念公園。皆さんもぜひこの機会に訪れてみてください。
文・写真=飯尾佳央
撮影日=2024年8月4日
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