20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックというふたりの芸術家によって生み出されたキュビスムは、西洋美術の歴史にかつてないほど大きな変革をもたらした。その名称は1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来する。慣習的な美に果敢に挑み、視覚表現に新たな可能性を開いたキュビスムは、パリに集う若い芸術家たちに大きな衝撃を与え、それ以後の芸術の展開に決定的な影響を及ぼしている。
本展ではキュビスムを語る上で、欠くことのできない貴重な作品が多数来日。20世紀美術の真の出発点となったキュビスムの豊かな展開とダイナミズムを、約140点の作品を通して紹介する。
出典:ひととき2023年11月号
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