【冨田屋】涼を呼ぶ夏のしつらえを京町家で学ぶ(京都・西陣)
室町時代より織物の町として栄えてきた京都・西陣。1885(明治18)年に建てられた冨田屋は西陣の商家特有の様式を残した京町家として、1999(平成11)年に国の登録有形文化財になっている。冨田屋では、6月から9月の間、衣替えのように住まいの模様を替える「夏のしつらえ」が施される。ふすまをすだれに替え風通りをよくし、畳にはあじろを敷くことで足元から涼を取り込む。
この夏を快適に過ごす昔ながらの知恵や工夫を体感してもらおうと、予約制で一般見学を受け付けている。見学時には代々受け継がれてきた商家のしきたりや暮らしぶりについての話も聞ける。建築様式の美しさだけにとどまらず、京の町の人々に息づく精神を知ってこそ、町家の魅力に気づくことができるはずだ。
出典:ひととき2022年8月号
※この記事の内容は雑誌発売時のもので、現在とは異なる場合があります。詳細はお出かけの際、現地にお確かめください。
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