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10才の娘と初めての2人旅──東海道新幹線60周年エピソード【入賞作品】〔PR〕

sponsored by JR東海

この60年間、家族団らんのご旅行や大切な人との再会、新生活への門出など、皆様の様々な場面で、皆様の大切な時間を支えるべく、東海道新幹線は走り続けてきました。
開業60周年を迎えるにあたり、皆様の東海道新幹線に関わる「とっておきのエピソード」を募集しました。700件を超えるたくさんのご応募、ありがとうございました。大賞1作品と入賞5作品を選ばせていただきました。大賞作品は、9月20日発売の雑誌「ひととき」にも掲載します。

この春、10才の娘と初めての2人旅をしてきました。行き先は大阪。

東海道新幹線のぞみで東京駅から新大阪まで2時間半の旅です。

娘は初めての新幹線、そして大阪、ユニバ旅行となり、予約をした3か月前から毎日がワクワクの日々でした。

親の私は何回か新幹線の乗車経験もあり、大阪もユニバも経験済みでしたが娘同様に毎日楽しく準備期間を過ごしている自分に驚きました。

というのも、私は幼少期から旅の記憶が薄く、仲間や家族にエピソードを言われても写真でしか思い出せないことがほとんどで、それがちょっとした旅のコンプレックスだったからです。

旅行プランも人に任せて着いていくばかり、観光地に対しても若さのせいか無感動な反応が多かったように思います。

それが娘が生まれてからは不思議と旅の記憶が濃くなり、娘を楽しませたい気持ちで色々と旅行先について調べることも増えてきての今回の旅の実現となりました。

40数年、人に着いていく専門だった私と好奇心旺盛な10才の娘の初めての2人旅。

思いがけないワクワクの準備期間は私もまるで10才の少女に戻ったような、キラキラの毎日でした。

娘と一緒に観光ブックで色々調べたり、東京駅までの行き方を実測したり、総武線ホームから新幹線改札までのルートを何回もシミュレーションしてみたり、駅弁は何時から買えるのか調べてノートにまとめたり。

当日は綿密な準備のおかげで早めに到着でき、新幹線改札の前で娘にせがまれアプリで一本早い新幹線に変更。

ハイテクなネット機能に感動しつつも、迫る時間はギリギリ、スマホを持つ手も震えて心臓バクバクのプラン変更でしたがこれもまた良い思い出です。

のぞみのピカピカでキレイな車体も、車内で食べた駅弁の味も、娘が気づいた上着フックの掛け方も、途中停車駅の音楽も全て、今でも思い出せます。

新幹線の窓にスマホを当て、過ぎ去る車窓風景をひたすら撮影する娘に笑っていましたが、気がつくとその時の動画を見て癒されている自分がいます。

ふと、10才当時の自分も忘れているだけで、今の娘と同じ気持ちだったのかもしれないと感じたりします。

すると、娘もいつかこの記憶が薄れてしまうかもしれない。

それでも遠い将来、娘の子供と一緒に新幹線に乗る時に思い出してくれるのではと思うのです。

願わくはその時はバーバになった私も誘ってくれたら嬉しいなぁと思いつつ、車内で撮った動画から流れる「会いにいこう」、そして楽しそうな娘の笑顔に今日も元気をもらっています。

少なくとも今のところ、40数年生きてきた私の旅の思い出ランキングは、だんとつでのぞみ大阪旅行が一位です!

また東海道新幹線で、このランキングを塗り替える日が来るのを母娘で心待ちにしています。

半澤麻里さん(43歳)

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