東京消防庁VR防災体験車のススメ
実際に体験できないからこそ
8年前の今日、大地震が発生し、言葉では言い表すのに苦心するほどの事態は発生した。もはや事件か。あの時の記憶は断片的にか残っておらず、わずか8年前ではあるのだけれど、人間はよくできているもんだと感心する。地震での危機感は徐々に薄れ、現実感も薄れていく。
もう一度起きた時のために
先日、東京消防庁のVR防災体験車を体験する機会を得た。VRなのでゴーグルをかけ疑似体験をする施設で、それを大きなトラックの中に収めて移動してどこへでも出かけるという東京消防庁の施設である。地震編、火災編、水害編と3つあり、その時々によって変わるらしい。今回は地震編を体験した。
恐ろしさが甦った
体験時間は3分間。短いようで結構長い時間だった。自宅にいる時に地震が発生するというシナリオだ。市街地というより、やや郊外のニュータウンのような住宅地をイメージしているようだった。揺れの強さはかなり大きく、あの日のようであった。揺れの長さは現実より短いものの直下型ならこんな感じかもしれないなとも想像しやすかった。発生後は部屋の中で色々なことが起き、逃げようとする。VRなので360度見回すことができ、天井や床や隣の部屋まで覗ける。窓から外を見れば、火災が発生しているだろうという煙が上がっていたり、隣家は一部崩壊しているのか?というところまで見える。住民は外で出て狼狽している様子もあった。
本当に怖かった
ちょっと体験してみよう!と気軽な気持ちだったが、実際に体験するとちょっと恐ろしくなった。いや、ちょっとというのはウソでかなり怖かった。怖さが蘇った。あのときの体験に関しては先程書いたように曖昧だけれど、感情というのは蘇りやすい。実は少し泣きそうになった。それくらい怖かった。
絶対に体験すべきだ
あのときの記憶や感情は忘れてはいけないんだと思った。世間では「1億3千万の予算をかけて」などと体験もせずに言う人もいたが、とんでもない。これはその予算が適正かどうかはさておき、十分に価値のある施設だった。震災を体験していない人がVR車を体験しても「すごいねー、ゆれるねー」で終わってしまうかも知れないけど、実体験した人がその恐怖を不安を伝えるのにいいチャンスだと思う。さらには火災や水害は実際に体験できるものではないので、追加でぜひとも体験したいと思う。各地ではかなりの行列ができ、整理券が配布されることが一般的らしいので、そのつもりで行ったほうが良いと思う。