走り始めたきっかけ
走ることやスポーツには縁がなかった私
25年務めた職場を最後は大阪でやめ、日本語の塾を開きたく教師を目指し、経験を積むためにマレーシアにわたって2年間働き、日本には戻ってきたが同時に住む場所を失ったのが2018年の夏。
言い方を変えればどこに住んでもよいということになり、起業も含めてあれこれ考え新宿で動くことにした。
多摩川で始まった 2018年
持ち金はあれこれの準備のためにとっておくとし、大学に入るために親元から離れたが何十年ぶりに戻って居候をすることとした。
そこが多摩川から近く、2018年の秋ごろから何か新しいことを自分の中で始めたくて走り始めた。何か目的があったわけではない。
最初は1㎞も走ることはできず、胸は呼吸をする度に切り裂くように痛み、足の筋肉は文字通り悲鳴をあげていた。関節は今まで経験したことのない痛みを味わう。
しかし何とか続けているうちにだんだん走ることに身体が慣れていくことが感じ取られた
走るためのもの
そのころは走ることに何の知識もなく靴もシャツもパンツも持っているものでやっていたが、まず靴がだめになった。
ネットであれこれ調べていつまでつづくかわらないことにお金をかける気もせず、御徒町のロンドンスポーツと近くのワークマンプロでジョギング用のものをそろえ始めた。靴は980円のワークマンのアシュレシューズだ。
そのうちネットで安いスマートウォッチを買い求めた。GPSはついていなかったが、スマホと一緒に持てば問題ない。数か月それで走ったところで、身内から誕生日プレゼントでガーミンのランニング用の初心者用モデルを手に入れる。それはGPSがついている。
だんだん、このあたりから走るためのあれこれの知識を増やしていく。
ものもウエストポーチを買ったり、ガーミンも2つめに買い替えたり、靴も変え、少しずつ変化はしている。
走ることで変わってきたこと
かつて自分では考えられなかった、5㎞、10㎞、15㎞といった距離を走れるようになった。
多摩川は、街中を走るのとは違い、車や信号や歩行者、自転車に注意を払うことや、急停止する場面がなく(結構ヒザに来るんだよね)、段差などがない。初心者だけれど川が近くで本当に良かった。
走ることで自分の身体が変化していくこと、自分の身体に関心を持ち始めたこと、遠い距離も自分の足で移動できることなどでかつての自分とは違うことはわかってきたし、走ってよかったと思うことの一つだった。
ただ走ることで季節の違いや、気温、風、緑、花、芝などの変化を感じることができるようになったことが何よりもよかったと思う。
コロナが本格的に始まる直前の新宿シティーハーフマラソンが初めてのレースとなった。
レースと言っても誰かと争うようなものでもないし、いつも一人で走っているので、自分のよく知っている新宿の街の車道を自分の足で21㎞を走ることができることに期待があった。正直きつかったけれど楽しい経験だった。
そのあとはコロナでエントリーできるレースはなく、一人多摩川を走っていた。
大阪に移動、住まいは川の近くを選ぶ
2021年の春に大阪で仕事を始めることになり、どこに住むかを決めるとき真っ先に川の近くを考えた。意外と選択肢は少ない。結局職場に通いやすい大和川の近くに古い長屋を借り今もそこに住み続けている。
300mの距離に大和川があるのですぐに走りに行けるのは満足している。
レース経験
2020年の新宿シティハーフマラソンのあとは、コロナでレースはなくなった。実はその年の春にソウルマラソン(フル)に登録していたのだが、中止となった。
大阪ハーフマラソンには2022年から3回出て、今年の3月には初めてフルマラソンを念願のソウルで走った。フルマラソンは最初こそ調子がよかったが、30㎞過ぎたあたりから足が動かなくなり、5時間の制限時間に何とか間に合う形で完走できた。走り終えた直後は2度と走らないと思っていたのに、11月の神戸マラソンにはエントリーしてしまった。
しかし、2024年は仕事の変化もあり、走ることへの気力がまだら状で月間走行距離がかなり落ちていた。この9月には8か月ぶりに100㎞を超えたので、このまま調子を上げていきたい。
走ることの意味
正直自分で深く考えることはない。
しかし、その時間はスマホやPCから離れ、30分から1時間半ほど否応なく自分の身体に向き合うことになる。また風、気温をはじめとした周りの状況にも関心を持ち始める。そのような時間を持つこと自体が大切なことかと思う。
あとはあえて言えばどの季節に走っても大汗をかくことかな。身体がリセットされた気がする。