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一歳半検診「様子見で」本当に大丈夫??

こんにちは🌞
横浜市青葉区にある児童発達支援、フォレストキッズこどもの国教室の木山です🌳🌋

今回は、発語の少なさや生活において発達の困り感があるにも関わらず1歳半検診や3歳児検診で様子を見ましょうと言われた際の対処方法をお話ししようと思います。

不確定要素の多い1歳半、3歳児健診

よく見学やお問い合わせで「まだ発語がないですが、1歳半検診では様子を見ましょうと言われたため、どうしたら良いですか、、」とのご相談をいただくことがあります。確かに発語の面や発達の面などにおいてはかなりの個人差があり、なかなか1歳半や3歳児検診の時点では確信的に言及できる場面が少ないため、様子を見ましょうと言われることがよくあります。ただ本当に様子を見るのではなく、療育などに通い適切な支援を受けることが望ましい可能性が高いです。

早期療育のメリット、デメリット

早期療育による介入は適切ではないという声も耳にしますが、療育に通うことによって生じるデメリットとしては、送迎や習い事による生活の負担感やストレスなどにより発達にとってよくない影響を与えることが考えられますが、そもそも療育とは自己肯定感を高めることがベースにあるため(フォレストキッズこどもの国教室の方針です)、負担感やストレスなどをマネジメントすることが大前提であり、そこをケアしながら介入することはむしろ適切であることが各論文などでも示されています。

以下に研究データをもとに、早期療育で用いられるESDM(Early Start Denver Model)**の効果を絡めて簡単にご説明します。
ESDMについては記事の後半をご確認ください。

🧠 脳の発達に良い影響を与える

・ Dawson et al. (2010) の研究では、ESDMを含む早期療育を受けたASD児の脳波(EEG)パターンが、定型発達児に近づいたことが確認されています。
・ これは、幼児期の脳は柔軟性(可塑性)が高く、この時期に適切な刺激を受けることで、より良い発達が期待できることが示されています。

🗣️ 言語や認知能力の向上

・Rogers & Dawson (2010) による研究では、ESDMを受けた子どもたちはIQ(知能指数)、言語能力、適応行動が向上したことが報告されています。
・ ESDMでは「遊びながら学ぶ」方法を取り入れているため、子どもが楽しく学習しやすい環境が整っています。

👫社会性・コミュニケーションスキルの向上

・Green et al. (2017)の研究では、ESDMなどの親主導の早期介入を受けた子どもは、他者との関わりが増え、共同注意(指差し、目を合わせるなど)が発達しやすいことが示されています。
・ ESDMでは、社会的なやりとりを重視し、「相手と一緒に楽しく活動する」ことを促すため、社会性が自然に育まれます。

臨床的見解

他にも私自身の臨床的な経験の観点からお話しすると、共同注意などの発達から発語に促されるケースや社会的な関わりによってこだわりが少し緩和されたり、こだわりを崩されることを受容できるキャパシティが大きくなったりすることを非常に実感しております。また、ESDM的な観点以外にも、生きやすいように家庭環境や外的環境が整備されたことにより、心の余裕から自己肯定感が高まり成長がかなり促されていたり、何事にも前向きに捉えることができるようになるケースもよくあります。逆にいうと年中、年長児などから療育に通い始めたお子様などはこだわりが崩れることの受容がかなり難しかったり、環境の整備があまりされておらず、指摘される経験や共感、肯定される経験の少なさから自己肯定感が下がるような経験を重ねており、社会に対しての不信感などから適切な行動をすることがなかなか難しいケースなども見られます(改善できないということではありません。)

このように、ESDMを通して脳の発達を促すだけでなく、周辺環境の整備による自己肯定感の高まりなどが非常に良い発達の影響を与えることこそが早期介入のメリットだと考えられます。それが、発達障害であろうとなかろうと脳の発達を促すという面では変わりはありませんので、少しでも不安な場合はお近くの専門家にご相談いただくのが良いですね。

発達の早期介入「ESDM」とは

さて、上記では「ESDM」という言葉が頻出していたと思いますが、ここではESDMついて簡単にお話ししようと思います。

ESDM(アーリー・スタート・デンバー・モデル) は、1~5歳のASD児向けの発達支援プログラム です。「遊びながら学ぶ」をコンセプトにしており、お子さまが自然なやりとりの中で、社会性・コミュニケーション能力・認知能力を伸ばす ことを目指します。

🔍 なぜ“早期”の関わりが重要なの?

脳の発達は、幼児期に最も活発 であり、この時期に適切な支援を行うことで、その後の発達の基盤を作ることができる と言われています。特に、ASDの特性があるお子さまは、社会的なやりとりを自然に学ぶことが難しい ため、できるだけ早い段階で楽しく効果的な関わりを増やすことが大切 です💡
ESDMは、脳の発達が柔軟な幼児期に、遊びや日常のやりとりを通じて学びを促す ための方法として、世界的に広まっています🌍

🧩 ESDMの特徴

✅ 遊びながら発達を促す 🎠
➡️ お子さまの興味を引き出しながら、楽しく学べる環境を作ります。
✅ 日常のやりとりの中でスキルを育てる 🏡
➡️ おもちゃや絵本、身近な場面を活用して、社会性や言葉の発達をサポート。
✅ 個々の発達レベルに合わせた支援 🎨
➡️ それぞれの成長に合わせた目標を設定し、一歩ずつステップアップ。
✅ 家でも実践しやすい 🌿
➡️ 特別な教材は不要! いつもの遊びの中で、無理なく取り入れられます。

🏡 ESDMの具体的な支援方法

🔹 共同注意を育てる👀
➡️ 「一緒に見る・楽しむ」経験を増やす ことで、相手との関わりを自然に学べるようにします。
💡 例:「おもちゃの車を転がして、一緒に『ビューン!』と言って楽しむ」🔹 言葉やジェスチャーのやりとりを増やす🗣️
➡️ 指さし・視線・身振り を活用し、コミュニケーションの機会を増やします。
💡 例:「ボールを渡しながら『どうぞ!』と言う→お子さまが受け取る→『ありがとう!』と返す」
🔹 社会的スキルを遊びの中で学ぶ🎭
➡️ 順番を待つ・相手の表情を読む など、日常で役立つスキルを遊びながら身につけます。
💡 例:「おままごとで『お料理をつくる→お友だちに食べてもらう』など役割を交代しながら遊ぶ」
🔹 成功体験を積み重ねて自己肯定感UP
➡️ 小さな成功をたくさん褒めて、「できた!」の喜びを増やします。
💡 例:「スプーンを使えたら『すごいね!』と褒める→『またやってみよう!』と意欲につなげる」

まとめ

ESDMは、お子さまが楽しく学びながら発達を促す ことができる方法です。
「お友だちとの関わりが難しい…」「言葉の発達がゆっくり…」などの不安を感じる保護者さまにも、無理なく日常に取り入れられる支援法 です。
お子さまの「できた!」を増やし、楽しい経験を通して成長をサポートする ことが、発達の大きなカギになります。

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