オンとオフしかないから、母の心を抉ってしまった
「わたし、生まれない方が良かったよね?」
母にそう聞いたのは4歳の頃だ。
母の名誉のため、これだけは強く主張しておく。私は虐待を受けていたわけではない。断言する。
ただ、母は私によく「忙しい」と言っていた。実際忙しかった。父が営んでいた自営業の事務をして、仕入れをして、家事もしていた。
母の言う”忙しい”には当然私の世話も含まれていて、4歳の私はそれをしっかりと理解していた。だから私がいなければ、母の”忙しい”が幾分マシになるのだろう。そう思って聞いたのだ。
「わた