No.1『神去なあなあ日常』ーフリースタイル書評バトル第3回「型破りエピソード芸人」
本と出会えるサイトホンシェルジュの新企画「フリースタイル書評バトル-芸人編-」。芸人におすすめの本を紹介し合ってもらう執筆バトルで、皆さまからの投票で連載権を獲得する芸人が決まります。(詳細は過去のnoteをご覧ください)
ホンシェルジュのサイト上にアップした本企画の記事ですが、このマガジン記事では芸人による作品紹介文の部分だけを読みたいという方向けに、1作品ごとに公開しています。
■第3回「型破りエピソード芸人」参加芸人
当記事は、こちらの参加者のうち誰か1人が執筆したものです。
・錦鯉 長谷川雅紀 (ソニー・ミュージックアーティスツ)
・蛙亭 岩倉美里 (吉本興業)
・スタンダップコーギー 奥村うどん (マセキ芸能社)
・春道 櫻間心星 (フリー)
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No.1『神去なあなあ日常』
僕にとって「どうぶつの森」は麻薬だ。
あの別世界に入り込んで行く「ふわっ」とした感覚が、僕は好きでたまらない。このストレス社会で、何かしら現実逃避できる手段を求めている人はたくさんいると思う。みんな「ふわっ」としたあの感覚が好きで堪らないんだ。ジブリ作品だってそのひとつかもしれない。「嫌な事を全部忘させて!」とみなゲーム機の電源をポチッと押す。その瞬間、あの別世界へとトリップを開始するのだ。
そして今回は、本で似たような感覚を味わえる作品があるのでぜひとも紹介させて欲しい。それが『神去なあなあ日常』という小説。映画『WOOD JOB!』の原作だ。
夢や目標などが一切ない。
都会生まれの主人公の青年が三重県の山奥に存在する「神去村」で暮らすところから物語が転がり始める。大自然に囲まれて暮らす村人たちは、個性豊かでツッコミどころ満載。
ここでしか絶対に出会えない「神隠し」、「何十年に一度の大祭」、「恋愛」に直面したりと、神去村での日常はおもしろすぎる。しかし、自然への礼儀や尊敬は重んじている村人たちなんかもリアルで魅力的だったり。
そして、この本最大の魅力といえばやはり没入感。
誰しもがページをめくるうちに、村人の1人として村で起こる事件に一喜一憂し、大自然に囲まれた村の四季の移り変わりに、村人でもないのに感動してしまう。
「でも、お前って神去村の村人じゃないじゃん」なんて、友達に言われたら「違うもん!俺は神去村にいたんだもん!ホントだもん!」と恥も外聞もなく言ってしまいそうな気がする(トトロ好きです)。それくらい神去村は実在しているし、自分もそこで昔から暮らしていたかのような錯覚に陥るのだ。素敵すぎる。
「別世界への現実逃避を味わいたい」という人にぜひとも読んでいただきたい作品。みなさんも近頃は、あの「ふわっ」とした感覚に出会えていますか?
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■投票はこちら
また、8/18(火)18:00まで投票も受け付けています。第3回「型破りエピソード芸人」の記事を読み比べて、1番読みたいと思った作品に投票お待ちしております。
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