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《ネタバレ有》結論、もっかい観たい。『君たちはどう生きるか』感想。

映画って、たいがい最後に「え?終わり??」ってなる。


久しぶりに、映画館で映画を見てきた。
夫が休みを取って一緒に行こうと言ってくれたので。

幼稚園へ通う娘の送迎に合わせると時間に限りがあるため、選べる映画はわずか。

そんな中でも夫が近くの映画館スケジュールを調べて、見られる映画の目星をつけてくれた。

そうやって選んだのがこちら。

スタジオジブリ最新作、『君たちはどう生きるか』である。

いま、じわじわきている。もういっかい観たい。


作品について予習(私にとっては復習)


見た後に色々調べたが、宮崎駿監督が引退宣言を撤回して臨んだ作品で、なんと制作期間は7年

さらに驚くことに、事前宣伝を廃してポスター1種だけ掲示という、異例の宣伝方法だったそうだ。
このことについて、宮崎駿監督は直前になって「本当に大丈夫かなぁ」と鈴木プロデューサーに漏らしていたという話が可愛かった。


しかし蓋を開けてみれば、制作費を回収できるほどの素晴らしい興行成績。

海外でも評価は高いようだ。



感想①「???」


まず、素人が観終わった率直な感想としては…

「え?終わり???」

が、最も適していると思う。

ストーリーの流れを追っていくのは、簡単ではないが難しくはないし、物語の端々に散りばめられているメッセージのひとつひとつは、感じ取ることはできる。

ただ全体を俯瞰した時、そして『君たちはどう生きるか』というタイトルと合わせた時に、この映画が私に問いかけてることは何だろう?という問いの答えが、まーーーー見つからない。
や、もしかしたらそんなこと、問いかけられてないのかもしれないけど、それも分からない。

エンドロールが流れ出した時、「え?もうおわり?!」と感じたのは、私だけではないだろう(たぶん)。


感想②少年の持つ生々しい感情と、その成長に感動

以下の記事は、ジブリ最新作と同名の小説『君たちはどう生きるか』を書かれた吉野源三郎さんの、お孫さんが書かれたものだ。
宮崎駿監督のお言葉が、掲載されている。

そのなかで、すごく納得したお言葉があった。

宮崎監督によれば、引退宣言を撤回して臨んだ今回の作品は「ずっと自分が避けてきたこと、自分のことをやるしかない」という思いだったそうだ。「陽気で明るくて前向きな少年像(の作品)は何本か作りましたけど、本当は違うんじゃないか。自分自身が実にうじうじとしていた人間だったから、少年っていうのは、もっと生臭い、いろんなものが渦巻いているのではないかという思いがずっとあった

 「僕らは葛藤の中で生きていくんだってこと、それをおおっぴらにしちゃおう。走るのも遅いし、人に言えない恥ずかしいことも内面にいっぱい抱えている、そういう主人公を作ってみようと思ったんです。身体を発揮して力いっぱい乗り越えていったとき、ようやくそういう問題を受け入れる自分ができあがるんじゃないか

ああ本当にその通りだと思ったし、まさにその少年の生臭さや、言葉にできない心の中での葛藤を、作品を見る中で感じ取れた。

物語の終盤で主人公の真人が、自分が自分でつけた頭の傷を、自分自身で受け入れるシーンがある。「これは僕の悪意だ」、と。
最初は衝動的につけた傷で、彼の中に悪意とも取れるいろんな感情が渦巻いていただろう。
物語の中で、彼が歩んで乗り越えてきた厳しい道のりが、彼自身がその悪意を自分で認めることができるほど、彼を成長させたんだなと感じた。

だからこそ私たち大人は、そうやって子供達が自分で障壁を乗り越えていくきっかけを奪ってはならない、と改めて感じさせられた。


感想③背景の美しさ。なんと手描き

作品を見ていて、素人目にも、背景の絵が非常に美しいと感じた。
は初めて『君の名は。』を観たときにも美しさに感動したが、それとはまた違う、水彩画をみているような美しさを、感じ取った。

後から調べて知ったのだが、近年のアニメーション映画には珍しく、描かれた絵のほとんどが紙と鉛筆と絵の具で描かれているのだそうだ。私の感じ方は、まぁまぁ合っていたようだ。

日常生活にも実はあるんだけれども見逃しがちな、自然の美しさ、そして怖さを、この作品が教えてくれるような気がする。

美術や絵画にド素人な私には詳しいことは分からないけれど、制作者の方々の本気の思いが、その背景の絵ひとつからもにじみ出ている、稀有な作品だったように思う。


感想④「美しい世界」とは?


物語の中では、主人公の真人が途中から入り込む、現実とは『別の世界』があり、真人の大叔父が収めている設定だ。

年老いてきた大叔父は、やってきた真人に対して、この世界を継いで欲しいという。
「君が思う、美しく正しい世界を、作っていくんだ」
そのようなメッセージを、真人に渡す。

その別世界は、確かに現実世界よりも美しい面も、あるかもしれない。
別世界のある場所では、鳥のインコがとても繁殖し、一つの街、あるいは国のようなものを作っていた。そして、やってくる人間やインコ以外の動物は、どうやら解体され食べられるような印象を受けた。
まるで、人間が現実世界で、他の生き物にそうしてるように。

大叔父が作った、彼の理想の美しい世界。
しかしそこでも、その場所に適応した何らかの生き物が繁栄し、他の生き物を凌駕するようになる。適応できない生き物は、苦しむ。どこかに『ひずみ』が生まれる。
では、理想とはなんだ?美しい世界とはなんだ?と、考えさせられる気がする。


参考情報

今回参考にさせていただいたが、以下の徹底解説が非常に勉強になった。
かなりネタバレが含まれているので、映画を観てから記事を読むのがおすすめ。


それから、もしもっと深掘りしたい!と思えば、
公開後に出版されている関連書を読めば、考察を深めるきっかけとなるかもしれない。



最後に。是非見てほしい!!


主人公が少年、そして母親との関わりが強い作品だったということで、小学生の息子を持つ私にとっては、見ごたえがありすぎて、感極まる作品だった。

結論、もっかい観たい!!!

皆さんにも、是非劇場に足を運んで観ていただきたい!!!!



では今日はこの辺で。

最後までお読みいただきありがとうございました!



hona



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