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日本史のツボ

過日読んでいたのは本郷和人『日本史のツボ (文春新書)』

あげられている7つのツボは、歴史の展開を整理するのに大切なのであることがよくわかる。
特に面白かったのは、天皇の系譜図で系譜が縦に長いか、横に広がるかが権力の有無を表すという話である。親子の承継が順当ということは、そこに権力闘争が起こっていないということであり、横に広がるとは、天皇の地位を得ようとする競争者かいたということであるという話である。
権威と権力の違いも含め興味深い。とくに今、Spotifyでコテンラジオを聞いていて、鎌倉時代をやっていて、後鳥羽上皇や後白河法皇も出てきていて権力抗争の時代の天皇や上皇の有り様も見えてくる。

また、女性に関しても面白いのは、江戸時代までは女性が活躍する機会が多々あったようだが、中央集権的統治システムが確立した江戸時代から女性が政治権力を持てなくされたことも書かれている

なぜ江戸時代になって女性の地位は低下したのか? ひとつには儒教の影響が強まったことが挙げられるでしょう。またトッドさんの理論を援用しますが、儒教とは父系社会の倫理です。その倫理を取り入れるなかで、女性の自由は非常に制限されることになった。さらにいえば、なぜ江戸時代になって儒教の影響が強まったかといえば、戦国時代が終わって、平和な時代になったからです。それまで各地の戦国大名が持っていた統治権が、徳川幕府に一元化され、平和がもたらされた。その代わりに、徳川幕府が求める秩序を実現するために、戦国時代まで享受されてきた自由(これは自力救済の別の側面でもあるのですが)は大幅に縮小されていく。(185頁)

大変勉強になったが、ブックオフで100円で買った本であり、考えぶかい。


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