加清純子の妖しさ
札幌生まれの加清純子は
十代半ばにして道展など
多くの展覧会で入選、
天才少女画家と謳われた。
早熟で叡智ある反権威主義、
師匠の画家や同級生など
多くの男たちと深く付き合い、
情念を絵や詩にぶつけた。
その絵は少女のものではなく、
生々しい一人の女の生き様。
セーラー服の姿なのに、
顔には妖気が漂っている。
高校3年の時に赤い
カーネーションを残して失踪。
阿寒山中で遺体が発見され、
その氷った顔は美しかった。
男友達の一人だった
渡辺淳一は『阿寒に果つ』で
加清純子の死を描き、
生涯の作風を決定づけた。
自殺か遭難死か。
謎の多い純子の死。
彼女の裸婦画などや、
小説『二重SEX』、
さらには彼女の残した
詩や随筆などから
魔性の少女、
加清純子を考察してみたい。