シューベルトの即興曲

フランツ・シューベルトの

ピアノ独奏曲である

「4つの即興曲」を

何度も繰り返し聞いている。


これまでにもきっと

聴いていていたかも知れない。

通り過ぎていたこの曲がある日

自分の体から離れなくなる。


映画「愛 アムール」で

若いピアニストが弾いていた。

第1番の最初の和音でいきなり

惹きつけられてしまった。


この「作品90、D899」を

4つともきちんと聴きたくて

アルフレッド・ブレンデルの

CDをすぐに購入した。


ところがこの名ピアニストの

最初の一番の最初の音が弱く、

映画の強い印象とは異なり、

まったく違う曲に聴こえてしまう。


シューベルトの晩年の即興曲。

旋律は叙情的で非常に美しい。

その清冽な詩情と孤独な心情を

激しく吐露して欲しいのだ。


もう一度映画のテロップを見て

俳優に成り代わって弾いた

ピアニストの名前を突き止めたい。

その人の演奏を手に入れるのだ。