『不思議の国のアリス』

ビル・エヴァンスの
「不思議の国のアリス」が好きで
友人にも贈ったりしていたが、
ルイス・キャロルの原作を
読んでいないことにはたと気付いた。

こんな年になって今頃読むのが
少し恥ずかしい気もしたが、
100年以上の前の物語が
夢の中のお話とはいえ、
あまりの荒唐無稽ぶりに驚いた。

アリスが通りすがりの兎を追いかけ、
その穴に入って落ちていった先が
不思議の国だったというわけだが、
登場してくる動物たちの格好や
話の内容が想像外のものばかり。

それでも大いに気に入ったのが、
グリフォンなる竜のような怪物と
兎の顔を持つ亀のウミガメモドキ。
新潮文庫での金子國義さんの絵が、
古風な欧米風でとてもいい。

矢田澄子さんのお茶目な訳と相まって、
とても楽しく読ませてもらった。
原作の挿絵はジョン・テニエルだが、
こちらは角川文庫で見られる。
訳は河合祥一郎さんで正統な感じだ。
いろいろ見比べ読み比べるのも、
「不思議の国のアリス」の醍醐味だろう。