テリーヌとパテの違いって?

「このテリーヌ、美味しいねえ。何のテリーヌ?」
「ほろほろ鶏とイチジク。Abatsのテリーヌよ」
「この一品だけで我が家の食卓がレストランになるね」
「そう、それもフレンチレストランになっちゃう」
「ところでテリーヌとパテは何が違うの?」
「似てるけど、テリーヌは中になんか入ってて、断面を見せるよね」
「テリーヌは魚のすり身とかあるけど、パテは肉じゃない?」
「そうねえ。でも、料理法が違うんじゃないの?」

「今調べたら、テリーヌは材料を長方形のテラコッタに入れて、焼いたり湯煎した料理のことだってさ」
「材料って決まってるの?」
「肉や魚や野菜を細かく切ったものや、それらをムース状にして容器に詰めるんだって」
「そういえば、野菜だけのテリーヌもあるよね」
「野菜のテリーヌは固めるために寒天を使う。鶏肉などは生クリームを加えて滑らかにするってさ」
「だから野菜はゼリー寄せみたいになってるんだ。じゃあパテは?」

「パテはパイが語源だって。だから材料はテリーヌと同じだけど、それをパイ包みにして焼いたものなんだ」
「そういえば確かにパイに包まれてる。薄いパイ生地に。でも、そうじゃないものもあるんじゃない?」
「今じゃパイで包まずにテリーヌの容器にベーコンを敷いてミンチ肉を詰めて蒸したりするんだって。だからテリーヌとの違いがなくなっているらしい」
「まあ、じゃあ、断面の美しいのがテリーヌになるんじゃないの?」
「ははは、今ではそれがテリーヌとパテの違いになるらしい」
「まあ!パテはパテと呼ぶ以上、パイ包みであって欲しいわ」
「うん、こだわって欲しいよね」