プロコ・コンチェルト3番
『蜂蜜と遠雷』の映画を観て以来、
プロコフィエフのピアノ協奏曲3番が
頭にこびりついて離れずに過ごしている。
3回にわたる予選をクリアしての本選で
栄伝亜夜を演じる松岡茉優がこの難曲に挑む。
ゲネプロで指揮者から低音の弱さを指摘される。
この指摘からコンクールから逃げ出したくなる。
しかし子供のように愉しく弾くことが重要だと
再びピアノに向かって激しく情感豊かに弾き切る。
実際は国際的なピアニスト・河村尚子が弾く。
音源は素晴らしいプロコフィエフが披露されるが、
彼女の動画はなく手の動きを見ることはできない。
見れたのはまずアルゲリッチの2つの演奏で、
2018年のシンガポールの演奏が特に凄かった。
曲芸とも言える手の動き、強い低音に圧倒された。
さらにミニスカートで大胆に弾き切るチャイニーズ、
ユジャ・ワンのピアノを叩き放り出すような演奏、
天から神が降臨してきたとしか思えない辻井伸行。
プロコフィエフのピアノコンチェルト3番。
20世紀最高のピアノ協奏曲といわれるこの曲の
世界屈指のピアニストでの聞き比べは最高である。
生きていて良かったと思える時を過ごすことができる。