「希望のかなた」
紛争や内乱によって
住まいが崩壊され、
家族が死んでいく。
食べるものがなく、
水さえも飲めない。
残された者は
此処にいられないと
祖国を捨てて
命からがら
海外に脱出する。
難民申請をするが
認められるとは
限らない。
祖国に強制送還、
死への道となる。
そんな難民のことを
フィンランドの
アキ・カウリスマキが
「希望のかなた」という
黙する映画にした。
シリアから来た難民、
カーリドは差別や暴力に
さらされながらも
善き人たちの援助で
離れ離れの妹と再会。
笑わないレストラン経営者、
友達もおらず冷酷そうだが、
実は後悔した心優しい人。
カーリドを助けて自分の
人生をやり直そうとする。
なりたくて難民に
なったわけでない彼らに、
平和な国に暮らす
僕らはなにができるのか?
問い詰められる作品だ。
妹と会えることだけが
生き甲斐のカーリド。
その希望が叶ったいま、
その先の望みはなにか?
それはただの当たり前の
ふつうの生活なのだ。