オペラ「チェネレントラ(シンデレラ)」_2021年10月9日
ロッシーニのオペラ「チェネレントラ(シンデレラ)」を観てきました!
音楽が隅々まで輝いていて、とにかく楽しくて、思わず踊りだしてしまいそうな気分でした。
童話で読んできた、大人しくてひたすら受け身のシンデレラとは違って、ペローの描くシンデレラは、過酷な環境にもめげないし、お茶目。自己憐憫に囚われていない自由なところに惹かれました。
何より、楽しみにしていた2幕!
王子(テノール)の『きっと捜し出してみせる』というアリアは、プロでも全員が出せるとは限らない「ハイc」という高音が何度も出てくる何曲。
王子役バルベラの伸びやか声に包まれて、聞き惚れているうちに、7分間があっという間でした。
鳴り止まない拍手を受けて、ルネ・バルベラはアンコールをしてくれました。最高!
今回の「チェネレントラ」は新制作で、演出家の事前インタビューによると
「チェネレントラをモチーフにした映画という設定で、無名女優のオーディションを行うところからオペラが始まる」
とのこと。
前回の新制作「カルメン」のトラウマが蘇り、
「ああ、また現代的で簡素な舞台装置で、(誤解を恐れずに言えば)その辺を歩けばいつでも目に入るようなカジュアルや、安っぽいファストファッション(そんなはずはありませんが)が溢れているのかな……」
と、わくわくする気持ちを抑えて事前に心の防波堤をたてていました。
でも、そんな心配は無用でした。
本当に見てよかった。
全身が明るい光に満たされている、この幸せといったら!
とはいえ、私の宿題は残っています。
0:00になったら現実に戻って、明日の取材と企画会議の準備の仕上げをします。