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飛び立つ蝶の緊張をほぐすには

小松菜に青虫がくっついていたのを、虫かごで育てた。毎日もりもりと葉っぱを食べて、やがてサナギを作り、昨夜に見事に白い蝶になった。

外は寒い。さりとて、狭い虫かごの中で息絶えるのを見るのも忍びない。

息子はやだやだと言っていたが、なんとか説得し、朝を待って外に放つことにした。

さて、息子よ心の準備は良いか。

虫かごを持って外に連れ出す。フタを開ける。
しかし蝶はなかなか飛び立たない。

「なんでだろう?」
と息子。

「緊張してるんじゃない」
と夫。

それを聞いて息子、

「僕は、やまだたろう(仮名)です。
 こっちは、やまだいちろう(夫、仮名)です!」

と大きな声で宣誓した。
何故そこで自己紹介...

自己紹介では緊張がほぐれなかったか、蝶はなかなか飛ばなかった。

おうちに一緒にいたいんだよ〜と息子は言ったが、最終的におかあさんがつついたところ、ヒラリヒラリと蝶は飛んでいった。

さみしがりやの息子は案の定、泣いて抗議した。

「さみしい〜!なんでちょうちょう にがしちゃうのー!!いやだったー!!」

すまん、甲斐性なしで。

さて、新しい世界に戸惑っている人には、こちらから自己紹介をして緊張をほぐすと良いというのが息子の考えのようだ。

今度やってみよう。

***

息子が暗誦するほど読んだ絵本。
おとなから見ると色々な要素がてんこ盛りですよね。変態、曜日、数など。




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