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仕事やめようとした日

 今日も職場に泊まった。夜中の3時半頃眠たくなりソファで眠ったら、めちゃくちゃ寒かった。どうせ眠るなら、家に帰宅して眠ればいいんだけど、3つの理由で帰らなかった。
1 いったん帰宅して、子どもからなんか頼まれてたりすると、職場に戻る時間が昼ちかくになるリスクがある
2 起きて、すぐに仕事にとりかかることができる
3 実は、今日、マラソンがある。そのための交通規制で、いったん家に戻ると職場までたどりつけるのか疑わしい

 大体週最低60時間働いている。こんなに大好きな仕事なのに、2019年頃、やめようと思ったことを思い出した。来月35年勤続で表彰されるって、note仲間に話したら、褒めてくれた。だけど、自分ではなんか違和感があって、なんか忘れていることはないかと一昨日思い出そうとした。そしたら、退職の準備をしたことを思い出した…。
 もう、私の職場には、ハラスメントするような人はいない(参照『私がおばさんになったら、おじさんはいなくなった』)。でも、一つ上の男性同僚が、私に敵対心を抱き、私の発言や仕事をことごとく、職場の一斉メールで非難するようになった。まあまあ、尊敬していた同僚にされるので、いたたまれない気持ちになって、職場を去る決心をした。勤続30年たったし、実は私はある資格をもっている。もちろん食べていけないのはわかってるけど、職場を辞める理由にはなる。そこで、独立している友達に頼みに行った。そこの事務所にしばらく置いてもらえないか。友達はちょっと、面倒くさそうだったが、彼女の事務所長の夫にも承諾をとってくれていいよということになった。
 それが、2020年3月のこと。そのあと、コロナが本格化した。
 2015年から2019年に、私は職場をICT化してた。デジタル音痴なのに…。テレビ会議システムを導入してたのだ。みんなに、『見てみて、ドラえもんのどこでもドアみたいでしょ』と言った。これで、東京にもニューヨークにも行かなくてもいいんだよ。まあ、そういう一連の思い付き行動が職場の石橋たたき男の反感を買ったわけなんだけど。
 コロナ禍では液晶テレビなどの部品も中国の港で止まっていて、どこにもICT機材はなくなった。Zoomはセキュリティの問題から2020年はそれほど使用されていなかった。ちょっとだけ私の職場の評価が高まった。
 そういう、コロナのドタバタがあって、退職するのを忘れていたのだ。
 
 そして、コロナで時間ができたので、運動でもしてみようと思い立った。
 一応、いきつけの整形外科医に、コロナの最中、「私ももうすぐ、60歳。そろそろ運動をしてみてもいいか」と聞いた。私には、右足膝(参照『バラの公園』)以外にも、脊髄に2か所持病がある。知らない整形外科に行って、医師や看護師が私のレントゲン写真をみると、口を開けてぽかんとする。2か所は、真っ赤なマグマのように炎症をおこしている。もしくは、インナーマッスルの発達に驚く。脊髄の脆弱さをカバーするために、ここまで筋肉が発達するのかと人体の驚異に驚く。まあ、奇異の目でみられるのが嫌なので、ゆきつけの整形外科医を作った。
 整形外科医の答えは、「運動なんて百害あって一利なし。そんな無駄なことせずに、じっとしていればいい」。「でも、先生がこの間、作ってくれたコルセットで腰痛もおさまり、運動してみたいんです」と私。「勝手にすれば」と先生。
 そういうわけで、私は、ランニングを始めた。1日目は300m、次は2キロ、3日目から5キロ走れるように、生まれて初めて風の音を聞いた。フルマラソンに出たいと思うようになった。突拍子もない夢だけど、2020年7月から走りはじめ、翌2021年は難しいと思うけど、2022年ならいけるかもって思った。2年がかりで計画を立てた。まず月100キロを目指した。雨の日も雪の日も。直前の8月から10月は月300キロを走った。土日は、コースの一部20キロ走ることになる。
 そして、コース上6区に分かれたマラソンは、各区間ごとに時間制限がある。1キロ6分から7分で走る必要がある。本当は42.195キロを4時間で走りたかったけど、6時間弱になってしまった。でも、最後のラストスパートは1キロ4分で走った。
 
 そういうことがあって、2020年3月から退職することを忘れていた。あわてて、昨日、友達にショートメールを送った。「フランスから戻ってきました。ご無沙汰しててごめんなさい。来月、夕食食べませんか」って。私の日本人の友達の数はまた増えた(参照『誰とでも友達になれるわけではない』『悔恨や反省はライン川に捨てる』)。

写真は、今日やっているマラソンの完走メダル。全く、表彰されたことがない人生の中で、初メダル。そして、来月の35年勤続メダル。

コロナのおかげで、二つも表彰されることができた。私はいつも運がいい。


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