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おいしい風

冷気にふと、足を止める。

――いいね、これは。
久々にいい場所を見つけた。

浮かれながら天を仰ぎ、
鼻腔いっぱい、空気を堪能する。

無機質な匂い。
透き通るような青と白。
ひんやりと心地よく時間が過ぎていく。

4時間目の、視聴覚室。
ピカピカに光る、ドラッグストア。

ああ、好き。おいしい。

じっとり文字盤に急かされて、
サーバールームを後にする。

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