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自由が丘パン歩き④【東京女子大生のんびり春休み】
1.高級フレンチより肉じゃがが食べたい話
心が、、疲れてる。。。
別に病んでる訳でも体調が悪い訳でもないのに、なんだか盛り上がらないときってありませんか?
私が朝に弱いだけなのかしら、
実は今日のパン歩き、いつもより2時間早いスタートなんです。本日は夕方から予定があり、やむを得ず。。。
頭の中にnow loading...のくるくる画面が流れています
ときめきや驚きより、安心感を大事にしたい気分
最近って、おしゃれでハイセンスな外資系のパン屋さんや、超絶技巧で八百万のこだわりが詰まったお店が流行りがちですよね
キラキラしているパンはもちろん美味しい!勿論
そういうパンも大好きだけれど、如何せん今は疲れている。
感動とは心の運動なんですよ
高級フレンチの美味しさに電撃の驚きをするのは、ハイカロリーな運動
久しぶりに実家に帰って、肉じゃがの美味しさに心がほっこり。みたいなそういうものを今は求めています。
言うなれば、運動というより、ストレッチくらいの感動!!
そんな切実な願いの中、食べログを眺め見つけ出したお店に行ってきました!
あれ私、ヨーロッパに実家あったっけ
穂の香 自由が丘店
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前から知ってはいたんですけど遠くて行き渋っていたんですよね。自由が丘の住宅街に小さく佇むパン屋さん
駅徒歩10分くらい、
野良猫がすたすたすたーって歩いているのを道中見かけました。かわいい。
疲れてたのに既に癒されてしまっている。
お店に入るとショーケースが目の前にあって、奥から店主の奥さんが出てきてくれました
奥さんに、「あれとこれください。あっ!やっぱりこれも」って言って袋詰めしてもらうスタイルです。
帰り道ベンチで少しつまみ食いして、あとはお家に帰ってゆっくり実食ですーー
2.兄弟とか親友とか、そんな話
つまみ食いしたのは、ブリーチーズと長ネギのキッシュ
ブリーチーズという言葉につい目がいってしまいました。
ブリーチーズ大好きなんですよね
クリーミィでまろやかな白カビチーズなんですけど、癖がなくてミルクの甘みがじんわり広がるようなお味。
でもつまみ食いした理由はそこじゃなかった!!
なんとこの子、「焼きたてなので袋を分けますね」と1人だけ別の袋に隔離されていたんですよ。
焼きたて!パン屋さんの醍醐味!
時は刻一刻と過ぎてゆきます。今食べねば焼きたてではなくなってしまう
しかしここで事件発生
ホロホロと手に取った瞬間、崩れていく生地たち。
そう、ホカホカだったんです。焼きたてだもの
でも当たり前に美味しい
フカフカのキッシュ生地が甘くて美味しいです
バターの甘みが優しい、シンプルな味わい
そして!!当然アツアツアチチなチーズと長ネギたち、、
焼きたてだもの。
舌が火傷するんじゃないか、火災報知器がなってしまうんじゃないか、そんな心配も束の間。
ネギの甘みとチーズのまろやかさに思わずにんまり
でもこの組み合わせ、結構びっくりじゃないですか?
家庭的なジャパニーズ食材代表 長ネギ
おしゃれフレンチ食材代表 ブリーチーズ
異色タッグに興味が湧いてつい買っちゃいましたが、味わいはむしろ兄弟姉妹くらいの親和性でした。
どちらも優しい味わいだからこそ、それぞれの個性がちゃんと分かるんですよね
ネギの優しい甘み、チーズのミルキーさとコク。
癖は無いけどだからほっと落ち着く、コタツのようなぬくぬく感です
3.お花畑にある幻のクリームの話
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注文してから絞ってくれたカスタードホーン
もちろん今食べます!
絞りたてなので。
クリームはさつまいもを思わせるもったりまったりした甘さ
おばあちゃんが作ってくれたお菓子って意外と甘かったよなあ、なんて思い出しました
でもおばあちゃんのお菓子とは一線を画す洗練されたフレッシュな美味しさ!
フルーティというかフローラルというか、軽やかな甘さなんですけど、もったり甘いんですよ。難しいですね。。。言うなればはちみつのような?
そして当たり前に、生地がボロボロと崩れていきます。さながら家が崩壊するように、
クリームもトロトロだからタラタラ垂れちゃう。忙しい、
それにしてもほんとにこのクリーム美味しいんです!
いや唯一無二の味じゃないのよ
どこか懐かしいのだけれど、でも特別に美味しいのです
絞りたてだからかしら?
因みにこれは裏技なのですが、クリームパンを買うことによって生地ボロボロカスタードトロトロ問題に直面することなく、美味しいクリームを味わえます
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でもやっぱりおすすめしたいのはカスタードホーン!
絞りたてには勝てないんですよ、誰も勝てない。
絞りたてだもの。
クリームパンも買って食べたのですが、カスタードクリームのあの、華やぐ香りやフレッシュさはホーンの圧勝でした。
というよりホーンにしか存在し得ない
恐るべし、絞りたて。
ここのパン屋さんは全体的に生地の主張が控えめというか、立ち位置が後ろで見守るママなんですよね。
授業参観で後ろから見守るお母さん
後ろにママがいると思うといつもより丁寧に板書しちゃうし手も挙げちゃう。
なんなら先生も張り切ってるし、みたいな
だからこそ、具材が活きてて美味しい。ハッピー
4.覆面おばあちゃんとチョキで負けちゃう話
食パンが美味しいと食べログにあったので、サンドイッチを買ってみました。
ハムレタスとツナレタスの2種類
ハムとレタスとトマトにマヨネーズのソースがかかってるやつと、ツナマヨにレタスとトマトが入ってるやつです
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色々なサンドイッチの組み合わせがあったんですけど、昔おばあちゃんがよく作ってくれたサンドイッチがまさにこの2つでつい惹かれてしまいました。
そんなことを思い出しながら食べてみると、えっっっ今!目の前に!私の目の前に!!
正にあのおばあちゃんのサンドイッチが!!
おばあちゃんがお昼ご飯にこさえてくれたサンドイッチ。
たまにお弁当にこさえてくれたあのサンドイッチ。
あのサンドイッチの味が今口の中にある。怖い、むしろ怖い。
そんな恐ろしい程に家庭的で暖かい、懐かしみのあるサンドイッチです。
我が家はかなりパン好きの家庭だったのですが、あなたの心にもありますか?
お母さんのサンドイッチの味
いくらコメの国日本と言えど、小麦料理に郷愁を感じる時もありますよね。
さっきお会計してくださった奥さんが私のおばあちゃんだった可能性について考えています。
何かしら特殊なマスクをかぶっているだけで、うちのおばあちゃんだったのでは??
ただ違いを見つけるとしたら、とにかく食パンが水みたいにしっとりしていること
明らかにパンが違う、こんなにキメの細かいたおやかなパン、我が家で出てきたことがない。
あとサンドイッチ用に特別薄くパンがスライスされているので食べやすい。
しかしとてもおばあちゃん。あまりにもおばあちゃん。きっとあなたのおばあちゃん
因みに開店2時間後に行ったのに(10時到着)既に最後の1個だったカレーパンの話聞きます?
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食べてみるとあまりにも給食にでてくるカレーパン
いや給食でカレーパンが出てきた記憶も、その味すら覚えてないんだけど、
でも確かに給食ででてくるカレーパンなんです。
甘くないカレーに、じんわり油が滲む生地
カレーと認識できるギリギリのスパイシーさと癖のなさ、ミートソース寄りのカレー
突然ですが、ここで心の一句。
カレーパン
手を挙げ勇むも
チョキで負け
5.伏線回収と争奪戦の話
こちらの写真を再度ご覧ください。
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私はある言葉に目が止まってしまいました。
そう!フランボワーズラズベリー問題の、件の彼がなんとここ穂の香にも!!
※下記参照“6.どうでもいいしなんでもいいのに、ちょっと気になる話”
買わずには居られませんでした
木いちごの味、しかと確かめり。
木いちご、別名ラズベリーそしてフランボワーズ
名前は変われど同じ果物。でも呼び方によって印象が全然違うから、木いちごと呼ぶにはフランボワーズと呼ばない、ラズベリーでもない理由があるはず!
そういう言葉オタク特有のトキメキで胸がいっぱい。
まず感じるのは、ジャムのような甘ったるい、甘酸っぱい木いちごの味。確かにフランボワーズなんて気取った雰囲気は感じない。
家で作るジャムってこんな味だったかもしれないな、たくさんお砂糖が入ってて甘酸っぱーい優しい味。
チョコもねっとりジャムの味にまとわりついてくる。チョコの甘さを、木いちごが諌める感じです
そしてクロワッサン生地も美味しい!
前の記事で、「クロワッサンのパリパリ部分は副旋律に過ぎない!中のしっとりした空洞こそが主旋律だ!」なんてほざきましたがここのお店ではイーブンな気配
旨みと塩味がしっかり感じられるパリパリ、
でも蓋を開ければしっとり瑞々しい。というか水々しい
パリパリしっとりふわふわうまうま
当たり前にプレーンなクロワッサンも美味しかったです
プレーンだけどしっかり味を感じる、安心感のあるクロワッサンでした。
実家の近所のパン屋さんのクロワッサンを思い出すけれど、ここのお店の方が美味しいはず。なのに、なんでだろう。。。どこか懐かしさや安心感を感じる味わいなんです
例えば、
自由が丘に数多あるInstagramフォロワー何万人系パン屋さんのクロワッサンを、京都の料亭で出てくる繊細なお出汁とすると、
穂の香のクロワッサンは、肉じゃがとか朝ごはんのお味噌汁のような
※因みに穂の香のフォロワー数は2025/01/29現在537人。むしろこの家庭的な卑近さに安心感を覚えるのは私だけでしょうか
想像するクロワッサン
でもにこっとするような美味しさです。
6.大名行列とミルヒー
家庭的や懐かしみに感動してばかりですが、
そもそも自由が丘に住む人からしたら、穂の香が近所のパン屋さんなんですよね。
わざわざ激戦区自由が丘にパンを買いに来るなら、特別にキラキラ光るお店は他にたくさんあります。
でも近所のパン屋さんとして、近隣の方が朝ごはん用の食パンを買いに来るのはきっとここなんだろうなあ
近所の人に愛されているのが、何となくひしひし伝わってくるんですよ!
例えば、今までで1番早いスタートのパン歩きだったのに、今までで1番パンが激戦だった(実は1番人気のミルヒーというパンを買いたかったのですが、到着時既に売り切れ)とか。
これもミルヒーライバルが、遠方から来る人たちではなく近辺の住宅街に住んでいる方々だったからなのかなあなんて考えてます。
あと、少しほのぼのしたエピソードなんですが。
お店が目の前に見えた瞬間幼稚園児たちのお散歩行列に遭遇したんですね、
お店の入口のドアに入ろうとしても、その大名行列を越えないといけないから入れなくて。
そしたらちっちゃい子たちが、
「今日もここいい匂いするー!!」って口々に仰っていて。お墨付きみたいです。
この瞬間から既にこのお店の虜になっちゃいました
明日はもうちょっと早起きしてミルヒー狙ってみようかな、そう思わせてくれるパン屋さんでした