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聞く技術 聞いてもらう技術

こちら読みました。
めちゃくちゃおもしろかったです。

どう考えたって、「聴く」よりも「聞く」ほうが難しい。

「聴く」ことについての本はたくさんあって、読んできたけれど、
「聞く」ことのほうが難しいようなのです。
「聴く」と「聞く」については、様々な定義があると思いますが、
著者は、

「聞く」は語られていることを言葉通りに受け止めること、
「聴く」は語られていることの裏の気持ちに触れること。

と整理しています。

言っていることを真に受けてほしい。

そんなシンプルな願いが、「聞いてほしい」という思いが、実現されることが難しくなっている時代なのかもしれません。
「聞こう」と思ったとき、それができないのは、
「聞いてもらう」ことがないから。

心が追い詰められ、脅かされているときには、僕らは人の話を聞けません。

だから、「聞いてもらう」必要がある。

「聞く」は「聞いてもらう」に支えられているとして、それぞれの技術の小手先編が紹介されています。
ひとつだけ、ご紹介。

聞く技術-小手先編-
12 また会おう
話を聞くために真に役立つのは、もう一回会うことです。
-中略-
名人芸みたいに聞くのがうまい人よりも、
聞くのは下手でも根気強く時間を積み重ねてくれる人のほうが、最終的には頼りになると思いませんか?

第2章の「孤立から孤独へ」の中でも「時間」は出てきます。

時間を信じる。

少し話が逸れるかもしれませんが、「友達」「時間」というのは関係があるように思っています。
本の言葉を借りると、
「頼りになる友達」は、「また会えると信じられる友達」
なんじゃないかな、と思います。
ずっとしばらく会うことがなかったとしても、「また会える」と信じていられる友達。
それが、「頼りになる友達」。
それは、「つながっている」と信じているということかもしれません。
そんな友達、つながりに救われているのだな、と思います。

そして、それは「聞く」技術としても活用できるようです。
「また会おうね」。
その一言がパワーを持っていて、「また聞いてもらえる」と思ってもらえるかもしれません。

他にも、色んな技術が-小手先編-として書かれています。

もうひとつ、あとがきの中で印象的だった言葉を。

クライエントの苦悩は、シビアで、タフで、身もふたもないリアルの中にあるのだから、心理士がリアリストじゃなかったら、困る。

そうですね。
シビアで、タフで、リアルな悩みはすり替えられない。すり替えてはいけないから。
その中で「聞く」ということがもたらしてくれるものは、きっとあるのだと思います。

キャリアコンサルタントとして、「きく」をやり続けていく身として、
改めて「聞くこと」「聴くこと」「聞いてもらうこと」、学び続けたいな、と思います。


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