【寝ダメ不可】日本人が知らない睡眠の真実!世界一眠らない国民が解決すべき睡眠負債
幸福睡眠でみんなにやさしく!
はじめまして、薬剤師の宮本です。
今回は、「睡眠負債を解消して、幸福睡眠へシフトチェンジ」という内容を紹介します。
睡眠負債については、以前から注目されていましたが、ここ最近さらに睡眠の大切さについてわかる報告がされましたので、一緒に確認していきましょう。
この動画を見ることで、あなたの睡眠の原因を知ることができるだけでなく
睡眠を改善することで、あなたの日々の生活にハリが生まれ、周りの人に対してやさしく接することができる。
仕事や勉強がはかどり成果につながりやすくなります。
ここでは
睡眠不足の原因は、朝食欠食にあり
睡眠不足による弊害
質の高い睡眠を得られるために大切なこと
の3つについて解説してきます。
不眠症のお悩みの解消にもつながる睡眠の話ぜひ最後までご覧ください。
それでは本題に入ります。
■睡眠不足の原因は、朝食欠食にあり
睡眠不足には様々な原因がありますが、私がここ最近感じている原因に朝食の欠食があります。
2023年に大阪大学や国立がん研究センターなどの研究グループが行った研究です。
対象となった全国7都府県の16市区町村に2011年~2016年に在住していた。
40~74歳の男女11万2,785人(男性 5万1,952人、女性 6万833人)を対象に
朝食摂取の状況と他の食行動および生活スタイルについて調査を行いました。
その結果、朝食を欠食することの多い人の傾向として
外食の頻度が高い
インスタント食品の利用が多い
就寝時間が遅い
1人暮らし
といった共通する生活スタイルの傾向が明らかになりました。
朝食を欠食する人が、外食やインスタント食品の利用が多い背景として
時間を十分にとれないなかで食品を選ぶときに、便利さや準備が簡単であることを優先している可能性が挙げられました。
睡眠不足と朝食の欠食がある人の生活スタイルについては、就寝時刻が遅い割合が高いことから、概日リズムが乱れてしまい、朝起きても食欲がないため抜いている可能性が報告されました。
実際に、21時以降を夕食遅延とされており、その多くが朝食欠食しています。
21時以降に夕食を食べると自ずと就寝時刻が深夜を超えることも、ただ朝は仕事などが9時あたりから始まるので、通勤時間を含めても早起きしないといけません。
そうすると、夕食から朝食までの時間がそんなに空いていないことや、就寝中に食べ物の消化を行っているため。体が休まっていない状態で起きることになり、朝食は食べる気になれない。
これを永久に続けていくので、睡眠負債は蓄積していくと考えられます。
日本は、2021年経済協力開発機構(OECD)が15〜64歳の日本人を対象にした調査で、男女の平均睡眠時間が7時間22分と加盟国30カ国のうち最下位を記録しました。
世間的には2014年版のものが広く知れ渡っていますが、その時はワースト3位で日本人の平均睡眠時間7時間43分と2021年にはさらに悪化しています。
また男性より女性の方が、平均睡眠時間は13分短いと報告されており、いよいよ女性の睡眠時間が7時間未満になりそうな状況です。
日本だけの調査では、まるのうち保健室「働く女性ウェルネス白書 2022」による丸の内エリアを中心とする都心で働く女性294人の調査があります。
これによれば、平均睡眠時間は6.3時間とOECDの平均睡眠時間よりもさらに短くなっており、男性以上に女性の睡眠時間の確保が大切です。
睡眠のためには1日の体内時計を整えることをまずは行いましょう。
リセットを行う方法には、朝日を浴びることと朝食を取ることが必要です。
朝日は脳の体内時計、朝食は臓器の体内時計のリセットに関係すると言われており、朝食を抜くと内臓機能の体内時計が乱れたままで昼間まで過ごす結果となります。
また睡眠不足を解消するために、夕食を分食して、18時ごろに炭水化物・タンパク質・脂質を摂取、帰宅後には消化しやすい野菜や味噌汁のようなものを摂取すると睡眠の影響も防げます。
朝起きた時の状態もスッキリして朝食を摂ることができ、体内時計も適切な時間でリセットされ体調が良いはず。
朝食にはタンパク質を意識した食事をすることで、睡眠の質も良くなります。
■睡眠不足による弊害
ここからは睡眠不足によって起きる健康への影響について3つお伝えします。
1.睡眠不足が肥満を作る
睡眠不足が太りやすくなることに関係する研究報告があります。
2004年のアメリカのシカゴ大学の研究によれば、健康な20代男性12名を対象に、4時間睡眠で2晩過ごした後と10時間睡眠で2晩過ごした後で食欲に関するホルモンの変化と食べ物の嗜好について調査を行いました。
その結果、4時間睡眠で2晩過ごした後は、10時間睡眠の後に比べ、食欲抑制ホルモンのレプチンが低下、同時に食欲増進ホルモンのグレリンが増えており、実際に空腹感や食欲も増えたことが分かりました。
レプチンは、脂肪細胞で作られているホルモンで、脳の満腹中枢に作用することで「お腹がいっぱい」というサインを伝える働きがあり、逆に「グレリン」とうホルモンは胃から分泌され、「お腹が空いた」というサインを送ります。
この2つのホルモンのバランスが崩れてしまうことで、食事に対する満腹感が感じられなくなってしまい、過食となり肥満へとつながるというわけです。
さらにこの研究では、4時間しか睡眠がとれなかった後は、10時間睡眠の後に比べ、ケーキ・クッキー・アイスクリームなどのスイーツ・ポテトチップス・ナッツなどの塩気の強いもの、パンやパスタなどの炭水化物が食べたくなるという傾向が見られました。
このことから、睡眠不足の状況が長引けばますます食欲が増してしまい、最終的には生活習慣病のリスクを上げてしまうことにつながります。
皆さんの中にも、睡眠時間が短くて、間食に甘いものや塩気のあるものを食べたくなりやすい方は、睡眠不足のサインと捉えて、今のうちに睡眠負債を解消していきましょう。
2,睡眠不足が不妊治療を長引かせる
日本で不妊治療を受けている人の数は、2002年の厚生労働省が行った調査によれば約47万人と推定されています。
2020年日本産科婦人科学会が公表する不妊治療実績件数(年別治療周期総数)によれば、44万9,900件となっており、2015年から40万件以上実施
そんな日本でも実施件数が増えている不妊治療ですが、睡眠との兼ね合いも分かってきました。
2017年に日本で行われた健康報告で、不妊治療の体外受精を行う予定の女性208名に対して、睡眠の質に関するアンケート調査を実施してグループ分けした際の受精率を調査しました。
その結果、睡眠障害がないグループの受精率は67.1%となり、高度の睡眠障害があるグループでは受精率が48.6%であることが分かりました。
睡眠不足があることで、受精率が半分以下に下がってしまうことは知らない方もいたのではないでしょうか?
このことは女性だけでなく、男性も睡眠の質が悪いことで、生殖機能が下がることがさまざまな研究で報告があるため、不妊治療の成果に対して男女ともに睡眠の質が影響していることを知っておきましょう。
3.睡眠不足が仕事の効率を下げる
睡眠と脳のはたらきに関して2003年にペンシルベニア大学などの研究グループが行った報告があります。
この研究では、21 ~ 38 歳の男女48人を対象に、8時間睡眠・6時間睡眠・4時間睡眠をそれぞれ2週間続ける3つのグループと3日間睡眠なしのグループでパソコンの簡単な作業による集中力が途切れて起きるミスの回数を計測しました。
その結果、8時間睡眠では2週間ほとんどミスがなかったのに対して、6時間睡眠を2週間続けると集中力は2日間徹夜した状態とほぼ同じレベルまで衰えることが分かりました。
世間ではよく、ここまで自分が成功できた体験談に、睡眠時間を削ってまで努力したことを高々と話している方がいます。
それくらいの覚悟をして望めてということなのでしょうけれども、現実的には睡眠時間を削ってまで費やした時間で出来上がったコンテンツは、2日間徹夜した状態以上の質の低いものを公に出してしまっているので疑問が残ります。
この研究からわかる最悪の内容というのが、2日間徹夜した場合には、集中力の低下が徹夜したことによるものと自覚することができます。
しかし、6時間睡眠を2週間続けた場合には、徹夜したわけではないため眠気をあまり感じず、頭が活動していないことを自覚しにくいため、普通に頭が活動していると思っている人が多いことです。
また、徹夜した人の脳のはたらきは、酒気帯び運転取り締まりの3倍以上のアルコール濃度で認知機能が低下していると言われています。
それを2日間の徹夜となると、それ以上の酩酊状態と考えられます。
つまり、6時間睡眠を2週間続けている人は、毎日酔っぱらった状態の脳で仕事や勉強、社会的な活動などをしている状態です。
しかも本人にはその自覚がないというのが問題です。
そんな状態で行った勉強や仕事について果たして順調に進んだと言えるのでしょうか?
ただ単に効率が悪く作業が進んだだけ、やった感が残るだけの自己満になってしまっていませんか?
2005年に発表されたスタンフォード大学の研究報告では、毎日平均7.5時間の睡眠をとっている健康な10人に、毎日14時間ベットに入って寝てもらう実験をして、どれくらい寝られるかを調査しました。
その結果、日を追うごとに睡眠時間は短くなり、最終的には10人の平均睡眠時間が8.2時間で固定されました。
ここから分かったことは、最初と最後の毎日の睡眠時間の差である1日40分の毎日の睡眠負債が解消されるまでかかった時間が、好きなだけ寝ても3週間かかるということです。
毎日6時間睡眠の場合に負債を解消するためには、少なくとも3週間以上は好きなだけ寝る必要があることが想像できると思います。
そのため、普段の土日の2日間の寝溜めを行っても、残念ながら解消はされないということです。
また、ショートスリーパーについては、この2つの研究でもあるとおり、短時間睡眠であることによる弊害を個人が自覚できていない可能性があります。
そのため、短時間睡眠に慣れた結果。ショートスリーパーであるとただ言っているだけなことも多く、お酒を飲みすぎて、どう考えても酔っているのに、酔っていないと言い張る大酒飲みと同じような状態です。
実際は、その方も無制限に寝ることによって、本来の自分に必要な睡眠時間になるまで安定して寝続けることで初めて気づきます。
睡眠を削ることによる美学を、こんなにも科学的進歩が急速に起きている令和の時代になってまで継承しているのは日本くらいです。
世界は睡眠を削ってまで頑張っている国が減っている現実を知りましょう。
専門家の中には、日本の経済成長が乏しかった失われた30年を睡眠負債が大きな原因と説いている方もいるくらいです。
以上のことから日々の睡眠時間の確保を行っていくことが非常に大切と言えるのではないでしょうか。
■質の高い睡眠を得られるために大切なこと
ここからより質の高い睡眠を得られるために大切なことを3つ紹介していきます。
1. 睡眠で自律神経を整える
睡眠の質を左右するものとして自律神経があります。
自律神経の機能は体内時計ともつながっており、朝日が上れば交感神経が高まり覚醒へと導き、日が沈めば副交感神経が高まり睡眠へと導くのです。
この自律神経の機能が乱れてしまう原因として、1つ目は、ストレスによる交感神経の過度な緊張状態になることです。
現代の日本はいまだに仕事や人間関係のストレスが多い社会となっています。
そんなストレスが多い環境にいると、交感神経の活動が高まったままになってしまって、寝つきが悪くなります。
そんな状態では、脈拍と血圧も高い状態となり、眠るための準備が全然できていないので睡眠の質が低下してしまうのです。
2つ目は、意外かもしれませんが加齢による副交感神経の機能の低下です
順天堂大学の研究チームが行った「男女年代別の自律神経測定データ」調査の結果があります。
それによれば、交感神経のはたらきは歳を重ねてもあまり変わらないのですが、副交感神経のはたらきは年齢とともに低下していくことが分かっています。
そのため、次第に交感神経だけが強くはたらいてしまうアンバランスな状態になります。
研究調査では、男は30歳を境に、女性は40歳を境に10年ごとに副交感神経の機能が約15%低下していくとされており、副交感神経の機能が低下すると全身の血流の巡りも悪くなってしまうため、代謝機能も低下します。
このようなことが原因で、高齢になるにつれて睡眠の時間や質が低下していく理由と考えられているのです。
このような自律神経の乱れを整えて、夜に副交感神経が高まっている状態にすることが質の良い睡眠には大切になっていきます。
副交感神経を高める方法として38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくりとつかることで、深部体温が下がり睡眠が促されます。
湯船に浸かるときは首元まで湯船に浸かる完全浴を行いましょう。
また入浴は就寝の90分前にすることで入眠の質が高まるとされています。
他の副交感神経を高める習慣としては
アロマの香りで芳香浴をする
「4・7・8呼吸法」による腹式呼吸を行う
体をストレッチする
首元だけ温めて緩める
バーのように照明を暗くする
カフェインを控える
スマホを就寝前にはいじらない
刺激的なものを視界に入れない
などの方法がありますのでお試しください。
2. 睡眠ホルモン「メラトニン」
睡眠の質の改善に欠かせないのがメラトニンです。
メラトニンは、夜に分泌される睡眠ホルモンとされており、目覚めてから分泌されるまで14〜16時間かかると言われています。
メラトニンの役割は、朝日を浴びた時に分泌が低下するとともに体内時計をリセットさせることに関係していきます。
特に、年齢を重ねてくると早起きになったり、夜中に起きてしまうことが増えませんか?
これも年齢とともにメラトニンの分泌の時間が早まってしまって、体内時計が少しずつずれていくことで入眠と覚醒が早まってしまうとされています。
メラトニンの分泌が高まることで、副交感神経の状態へ導くことにも関係しているため、しっかりと分泌させることが大切です。
メラトニンは、精神の安定にも関係するセロトニンが変化してできる物質です。
1日の明るい時間にはセロトニンの分泌が高まり、夜になるにつれてセロトニンがメラトニンに変換されて増えるような状態になります。
そのため、明るい時間帯にセロトニンが生み出せるかが大切になってきます
そのためには、タンパク質を朝から摂取していきましょう。
特にアミノ酸のトリプトファンを含む食事を摂取することが睡眠の質を上げるには大切です。
トリプトファンを多く含む食品には、納豆や豆腐などの大豆食品・鮭・鶏胸肉・焼き海苔・ナチュラルチーズなどがあります。
この中から朝食に取り入れやすいものを選んでみましょう。
その他にもビタミンB群・鉄などもメラトニンを作るのに関係しています。
そして、やってはいけないのが就寝前のブルーライトなどの強い光に当たることです。
光の刺激は、交感神経を高めてしまうだけでなく、メラトニンの分泌が止まってしまいます。
その結果、光が当たった時間が体内時計のリセット時間にもなってしまうので、自律神経の乱れにもつながるのです。
スマホの使用は、ちょうど入浴の時間と同じ就寝の90分前にはやめるようにしましょう。
3. 抗ストレスホルモン「コルチゾール」
腎臓の上に乗っかっている副腎から分泌されるコルチゾールは、抗ストレスホルモンとも呼ばれ、睡眠にも影響します。
コルチゾールの分泌は、日が上って目覚めるときに分泌が高まり、血糖値・血圧を上げる役割があります。
しかし、コルチゾールの分泌がストレスなどによって高まり過ぎてしまうと
夜中に緊張している状態となり、寝つきが悪くなってしまいます。
その逆で、今度は日が上っているのにコルチゾールの分泌が低い状態になってしまうと血糖値・血圧が上がらず起きるのが辛くなってしまいます。
ストレスに対してコルチゾールの分泌が追いつかなくなってくると、副腎からの分泌が枯渇してしまって寝起きにも影響してきます。
最近では、コルチゾールの分泌が低い状態になってしまう副腎疲労という状態も日本で少しずつ知られるようになってきました。
副腎疲労になると睡眠の質が低下するだけでなく
うつ症状
イライラ
月経前症候群(PMS)
更年期障害
免疫力の低下
などの症状が悪化するとも言われています。
副腎疲労によって睡眠の質に影響しているかもしれませんので、チェックリストを使って確認してみましょう。
【副腎疲労チェックリスト】
朝起きるのがつらい
疲れがとれていない(ぐっすり眠ってもまだ疲労感がある)
塩辛い食べ物が無性に欲しくなる
倦怠感・エネルギー不足(やる気がおきない、楽しいこともすべて億劫に感じる)
日常的なことがとても疲れる(何をするにも努力が必要)
性欲の低下
ストレスに対処できない(今まで気にならなかった小さなことが気に障る)
病気やケガ、トラウマから回復するのに時間がかかる
頭がくらくらする(立ち上がる時くらくらする)
軽度のうつ(人生の意味が感じられない)
人生のすべてが虚しい
月経前症候群(PMS)の悪化(むくみ、頭痛、乳房の張り、お腹の痛み、ふさぎ、不安、怒りなど)
カフェイン飲料がないと、仕事ができない(コーヒーやチョコレートなど)
思考が定まらず、ボーっとする(忘れやすい、決められない、集中力が維持できない)
記憶があやふや
午前10時まで目が覚めない
午後3時から4時の間は、ぼんやりしている
夕食後、やっと元気になる
仕事がはかどらない
甘いものを食べると元気になるが、その後だるくなる
この副腎疲労から回復するには、精神的なストレスを取り除くことが大切です。
それに加えて栄養療法のサポートを行うことも可能で、血糖コントロールやグルテン・カゼインのようなアレルギー物質を避けるようにしましょう。
また、副腎はビタミンCを一番多く消費している臓器とされています。
そのため、副腎疲労の状態から回復させる栄養素としてビタミンC・ビタミンB群・マグネシウムの摂取を検討してみましょう。
回復には、3ヶ月ほどかかると言われています。
少しずつ行っていき、睡眠の質の改善を感じられるようになれば、活動的な朝を迎えられるでしょう。
このように、睡眠は私たちの健康に大切な習慣であるにもかかわらず、日本人は特に疎かにしている人が多い現状です。
睡眠を促すためには、日々の栄養状態も大切です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?