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レーザー加工機に関するあれこれ

こんにちは、製造部の松田です。

ようやく春らしい、暖かな気候になってきました。

金沢地方気象台がサクラの開花を発表したと
昨日のニュースで報道しておりましたが、
穏やかな日々に戻ってゆくとよいですね。

新年度もスタートしたということで、
今回の記事では弊社の事業の1つの柱である

レーザー加工機による切断加工について、
少しお話しさせていただきます。


レーザー加工機が動く原理

レーザー加工機とは文字通り
強いレーザーを照射することで、

対象物(「ワーク」と言ったりします)を
溶かし切る(※)機械のことです。

※対象物の表面に溝や焼き色だけをつけ、
 対象物を切らない弱いレーザーもあります

ちなみに皆さんは「レーザー(LASER)」という単語が

Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation
(誘導放出による光増幅放射、という意味)

の頭文字をとった造語だと、ご存じでしたでしょうか。

誘導放出」だとか「増幅放射」だとか、
聞きなれない単語が並んでおりますが、
私なりに言い換えてみますと、

電磁気の技術を利用して、めっちゃ鍛え上げた光線

というイメージかな、と考えています。
(その道の方が見たら怒られそうな解釈ですが…)

どのように「誘導放出」したり「増幅」したりして
光をレーザーに変換してゆくのかについて、
詳しい内容は次回の記事でご紹介するとしまして

今のところは要するに、

「鍛え上げた光線で対象物を溶かし切る機械」

と理解してもらえたらと思います。


レーザー加工機の種類

ひとくちにレーザー加工機と言っても、
実は種類がいくつかあり、
機械の構造や切断できる素材が違ってきます。

今日において、製造業で特に普及しているのは

  • 炭酸ガスレーザー加工機

  • ファイバーレーザー加工機

の2種類です。
(弊社は炭酸ガスの方を使用しています)

両者を比較した、それぞれの特徴を挙げてみます。

【炭酸ガスレーザー加工機】

  • 切断した断面の品質がよい

  • 金属類のほかに、ガラスやセラミックスも切れる

  • しかし光をよく反射してしまう素材(アルミ、銅など)は切れない

  • 機械(初期費用)は高価ではないが、ランニングコストはそれなりにかかる

【ファイバーレーザー加工機】

  • 切断速度が速い(速すぎる、という声も)

  • 高反射材(アルミ、銅など)が切れる

  • 機械(初期費用)は高いが、ランニングコストは抑えられる

  • 機械構造がシンプルなので、保守点検しやすい


どちらのレーザー加工機を導入するかを考える際は、
加工する素材やランニングコストを軸に判断します。

※再三になりますが、弊社では炭酸ガスの方を使用しています


レーザー加工機 vs. ウォータージェット

対象物を溶かし切るレーザー加工機に対して、
同じく切断する機械としてウォータージェットがあります。

富山県の機械メーカー、㈱スギノマシンさんの説明を引用します。

「ウォータージェット(WJ)による切断加工」とは、水を最高600MPa(約6,000気圧)に加圧し、小径ノズル(Φ0.1mm)から噴射、高速・高密度な超高圧水のエネルギーを利用して、対象物を切断加工する工法です。

超高圧水発生ポンプで加圧された水は、音速の約3倍に達し、破壊力のあるウォータージェット(WJ)が生まれます。

ウォータージェットによる切断加工とは

レーザー:鍛え上げた光線 に対して、
ウォータージェット:鍛え上げた水流
といったイメージでしょうか。

高速・高密度な水流を対象物にぶつけることで
素材をえぐり切るという加工法になります。

光と水という違いだけでやってることは同じ!?
と思われるかもしれませんが、

光で切るのか水で切るのか、
それが大きな違いを生みます。

レーザー加工機と比較して、
ウォータージェットは次のメリット・デメリットがあります。

【メリット】

  • レーザーと違って熱を発生しないので、燃える物質も切れる

  • また製品が熱くならないので、それによる変形や変質もない

  • 分厚い素材(50~300mm)の加工が得意

【デメリット】

  • 水に溶ける物質には使えない

  • 製品が濡れるため、乾燥の手間がかかる

  • 水に研磨剤(砂など)を混ぜて噴射するため、その研磨剤がランニングコストとなる(レーザーもガスを使用するため、イーブンか)

  • 加工のあとに、飛び散った研磨剤を掃除する必要がある

薄板の金属などはレーザー加工機
厚板の石材などはウォータージェット

といった具合で、
厚みと素材に基づいて
どちらの加工が経済的か
判断することが多いです。


おわりに

ここまで記事をお読みいただきありがとうございました。

製造業って何をしてるのかよく知らない、
レーザー加工機の名前は聞いたことがある

といった方にも楽しく読んで頂けるよう書いているので
その道のお詳しい方におかれましては、
不適切な表現があっても目をつぶって頂けると幸いです(笑)

また、レーザー加工機の仕組みや動かし方など
より詳細なことについては次回以降の記事にて、
こちらもフランクに紹介していこうと思っていますので
読んでいただけると嬉しいです。



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大サイズ平面材(パネル等)の異種どうし貼り合わせ加工、
および切断加工を得意としています。


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