世界中で大理石が枯渇。人工大理石と人造大理石、そしてセラミックタイル。
こんにちは、製造部の松田です。
高級建築には必ずといっていいほど
取り入れられている大理石。
国会議事堂や三越デパートにも
ふんだんに天然大理石が使用されています。
昔から建築には欠かせない素材である大理石が
世界中で枯渇していることをご存じでしょうか。
大理石採掘の現在や、大理石の代替素材について、
建材市場の今を、のぞいてみましょう。
現在の大理石は、トルコ・イタリア・中国産が多い
現在、日本の建築で使用されている大理石のうち
国産のものはほとんどありません。
そもそも日本で建築に大理石を用い始めたのは、
明治時代に洋館や国会議事堂を建設した時とされ、
その際は日本全国から国産大理石を
採掘・収集して使用したのだそうです。
しかし国産大理石の資源量は少なく、
採算性が悪いため採掘は急速に縮小。
世界的な産地であるトルコ・イタリア・中国からの
輸入した大理石によって賄われているのが現状です。
天然大理石の枯渇が危惧されている
一大産地であるトルコ・イタリア・中国から
世界中に輸出して建築に使われているため、
質の低下や、近い将来に枯渇することが危惧されています。
石といえども天然素材であるため
石油や天然ガスと同様に、
使い過ぎれば無くなるという、
当たり前の事実を目の当たりにしています。
天然大理石の代替品:
「人"造"大理石」と「人"工"大理石」は全然違う!
建材業界は以前から大理石の代わりになりえる
機能性やデザイン性をもつ建材を開発してきました。
名前に「大理石」とある素材として
人造大理石
人工大理石
の2種類が代表格です。
「人造」「人工」は共に人が生み出したという意味で
同一の素材と間違えそうですが実は全く異なります。
<人造大理石>
粉砕された小さな天然大理石を、
セメント等で固めて成形したもの。
別名「テラゾー」と呼ばれます。
<人工大理石>
メタクリル樹脂という素材で製造された、
材料まで全て人工の大理石建材。
※ただし意匠目的で天然大理石を混ぜること有
アメリカの化学メーカーDuPont社が製造する
「コーリアン®」が有名。
セラミックタイル市場にも追い風
人造大理石・人工大理石とならんで、
名前に"大理石"とはつかないものの、
大理石枯渇で追い風をうけている建材として
セラミックタイルがあります。
工芸品の陶磁器にも使われているような
粘土や石成分をタイル形状にした製品です。
表面にインクジェット印刷もでき、
大理石に似せた柄のものや、
派手なデザイン柄などがあります。
セラミックタイルが代替建材として
喜ばれているその他の理由として:
工業的に製造するため品質が安定する
薄板(3mm)~厚板(24mm)まで用途に応じて選べる
薄板は軽く、建物への施工が楽
などが挙げられます。
建材としての利便性に優れており、
2024-29年の日本市場においては
CAGR2%以上で成長すると予想する
調査レポートもあったりします。
おわりに
ここまで記事をお読みいただきありがとうございました。
当社は薄厚(3~6mm)のセラミックタイルを
レーザー加工機で切断しているのですが、
最近になり取引先さまと情報交換しているなかで
セラミックタイルの引き合いが増えていると伺い、
理由を探ってみたところ天然大理石の枯渇が
波及した結果だということが分かりました。
本記事で取り上げた人工大理石など、
建材メーカーの企業努力により
機能的に優れた製品は多いですが、
人間の性といいますか天然大理石の人気は衰えず、
建築に耐える品質の天然大理石の価格は、
人造大理石等の価格に比べ約5倍もするそうです…
◆建築資材の製造外注・OEMは北陸マテリアル株式会社に!◆
大サイズ平面材(パネル等)の異種どうし貼り合わせ加工、
および切断加工を得意としています。
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