川上未映子「シャンデリア」の感想
川上未映子さんの「シャンデリア」という小説をKindleで読んでみた。
死にたがりの主人公の虚無感に少し共感し、とても好きな作品になった。
私はよく、お金があったらもっと幸せになれるのにと思ったりしていた。
なんの予定のない土曜日に、駅から遠い私の家からタクシーに乗って何処へでも行けたらいいのに、とか。
高いご飯屋さんにも一人で入れるくらいの風格があれば、一人で美味しいものを食べて満足できる気がするのに、とか。
でもそれは実際どうなのかわからないなと思った。
大金が口座に預けられていてどんどんお金が振り込まれている「シャンデリア」の主人公の様子からしてちっとも幸せそうではないところ見ると、お金がたくさんあっても今と全く同じ気がする。
それどころかより一層生きてる意味が分からなくなって、虚無感を抱えながら生きていくことになるのかもなと思った。
どこへでもいけようが、どこへも行けなかろうが、ひとりぼっちだと寂しいのかもしれない。
家族とか恋人とか友達とか、そういう要素がなければ。
人間嫌いの場合はどうしたらいいんだろうか。
私の性格は少しおかしいから損している気分になる。
人の好みが激しくて、恋人はおろか友達さえ見つけるのに一苦労。
人間が嫌いなんて、人の幸せと矛盾しているなあと大きな課題に気がついた。
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