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けんたくん
水彩 横254×縦195 2014作成

30年ほど前になりますが、パリ郊外の地下鉄入口で、年老いた母と娘と思われる女性が抱き合っていました。
老女の片手には手綱が握られており、犬が二人を見上げていました。

エッフェル塔や凱旋門のある中心街は色も鮮やかで綺麗なのですが、郊外に行くと犬の糞があちこちに目立ちました。

日本もそのうちに、このような時代になるのかと思いました。
ところが、日本の高齢化社会は世界に類を見ない速度でやってきました。

動物の絵は何枚か描いているのですが、眼は性格まで現わすので難しいものです。

このケンタ君は年老いて飼い主から手厚い介護を受けていました。
ところが、先週亡くなったと連絡がありました。

楽しい思い出をたくさん貰いました。
この絵はお世話になった時に描いたもので、今でも玄関の下駄箱の上に飾ってあるといいます。


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